政府は28日、放射線量が局所的に高い「ホットスポット」として福島県南相馬市に指定した特定避難勧奨地点の指定を解除しました。
南相馬市では対象住民のほとんどが「まだ線量が高いのに、なぜ解除するのか」「しっかり除染してからだ」などと解除に反対しており、住民理解が得られないままの強行です。
現地対策本部によると、7~8月に空間の放射線量を測定した結果、最大値は毎時約1マイクロシーベルト(=年間8.8ミリシーベルト)で、基準である毎時3.8マイクロシーベルト(年間20ミリシーベルト)を下回ったなどとして解除を決めました。年間20ミリシーベルトはいうまでもなく、年間9ミリシーベルトも人の住めるところではありません。
それに住宅地以外の山野、山林、農地などは原発事故で汚染されたままのより高濃度の汚染レベルです。そんな周囲の環境の中で人など住めるものではありません。
政府は、帰宅することで風評被害がなくなるからと述べたということですが、論外もいいところです。
この解除強行は安倍政権の冷酷さを象徴するものです。
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南相馬の避難勧奨解除 住民理解ないまま強行
東京新聞 2014年12月28日
政府の原子力災害現地対策本部は二十八日、東京電力福島第一原発事故に伴い、放射線量が局所的に高い「ホットスポット」として福島県南相馬市に指定した特定避難勧奨地点百四十二地点(百五十二世帯)の指定を解除した。避難勧奨地点は二〇一一年六月以降、福島県の伊達市や川内村、南相馬市に指定されたが、一二年十二月に伊達市と川内村は解除されており今回、避難勧奨地点は全てなくなる。南相馬市では対象住民のほとんどが解除に反対しており、住民理解が得られないままの強行となった。
現地対策本部によると、対象地点の住宅周辺では今年三月までに除染が終了。七~八月に空間の放射線量を測定した結果、最大値は毎時約一マイクロシーベルトで、指定の基準である毎時三・八マイクロシーベルト(年間二〇ミリシーベルト)を下回ったなどとして解除を決めた。
政府は当初、十月中の解除を目指したが住民説明会で「まだ線量が高いのに、なぜ解除するのか」「しっかり除染してからだ」などの声が上がり延期。今月二十一日に再度説明会が開かれ、会場は反対一色だったが政府は方針を変えなかった。