林野庁と福島県が6日開いた「福島の森林・林業再生に向けたシンポジウム」で、森林総合研究所の赤間亮夫氏が福島原発事故で森林に飛散した放射性セシウムの挙動について、放射線量は自己崩壊により低減しているもののセシウム自体の減少量は1年間に0.5%以下であると報告しました。
セシウムは土壌の特に粘土成分と強固に結合することが知られています。
森林の外への流出は渓流水に伴って行われますが、水に溶けるのは極めて微小量で、土壌粒子と結合したまま汚濁成分(浮遊物質)として流出します。
水に溶けた状態で流出する量は1ベクレル/リットル以下ということです。
結局 森林の放射線量の減少は、セシウムの自己崩壊による減少を待つしかないということです。
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森林のセシウム量変わらず 濁り水に比較的高い濃度
福島民友ニュース 2014年12月7日
林野庁と県は6日、福島市で「福島の森林・林業再生に向けたシンポジウム」を開き、森林総合研究所の放射性物質影響評価監を務める赤間亮夫氏が東京電力福島第1原発事故で飛散した放射性物質が県内の森林に及ぼす影響について研究成果を報告した。赤間氏は、森林の生態系に降り注いだ放射性セシウムについて、放射線量は低減しているものの「セシウムそのものの蓄積量は大きく変化していない」と指摘した。
同研究所は森林の外へのセシウムの流出の有無を調べるため、渓流水に含まれるセシウム濃度を測定。分析結果から、渓流水を通じて流出した量は「1年間で流域全体に降下した量の0.5%以下」との推定を明らかにした。
調査では、降雨などで渓流水が濁った場合は1リットル当たり1~13.1ベクレルを検出した一方で、水をろ過した場合は1リットル当たり1ベクレル以下に下がり、飲用水の基準値(1リットル当たり10ベクレル)を下回ったとの結果を示した。雪解けや梅雨、台風が接近する時期でも渓流水が澄んでいれば、1リットル当たり1ベクレル以下にとどまった。