衆院選挙の小選挙区に出馬している候補者956人に対して、「原発風下・被害地元ネットワーク」と「脱原発法制定全国ネットワーク」の二つの脱原発市民団体が原発政策について緊急アンケートを行い、その結果を11日、国会内で記者会見を開いて発表しました。
回答した全候補者が再稼動反対であったのは共産党、生活の党、社民党だけでした。
田中龍作ジャーナルの記事を紹介します。
来る14日の投票の際には参考にして欲しいものです。
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原発再稼働を候補者に問う まともなのは共産、生活、社民だけ
田中龍作ジャーナル 2014年12月12日
衆院選挙の小選挙区に出馬している候補者956人に原発政策について、脱原発市民団体が緊急アンケートした。
自民党が原発再稼働で一枚岩になっているのに対して、民主党は2人が「再稼働に賛成する」と答え、128人が無回答だった。
アンケートを実施したのは、「原発風下・被害地元ネットワーク」と「脱原発法制定全国ネットワーク」。11日、国会内で記者会見を開き、結果を発表した。アンケート結果は以下―
回答があったのは956人中360人。
~自民党~
☆無回答264人
大島理森候補(青森3区)、甘利明候補(神奈川13区)、高市早苗候補(奈良2区)ら「原発大好きイレブン」はこぞって無回答だった。
「めんどくさい」「答えると争点にされる」などの思惑があったものとみられる。「脱原発法制定全国ネットワーク」代表世話人の河合弘之弁護士は「無回答は再稼働賛成ということ」と分析する。
☆回答19人
うち16人は「原発再稼働に賛成する」と答えた。
ただ「原発は過渡的エネルギーであり、新増設に反対する」と答えた候補者が5人いた。衛藤征士郎候補(大分2区)らだ。
「エネルギー政策は転換が必要。原発の新増設に反対する」と答えたのは1人。鈴木憲和候補(山形2区)だ。
自民党候補は個人単位の後援会をベースにしているため、世論を気にしているようすが窺える。
~公明党~
☆小選挙区の候補者全員(9人)が無回答。
「公党には答える義務がある。いかがなものか」(河合弘之弁護士)
~民主党~
☆回答50人
うち2人が「原発再稼働に賛成する」と答えた。小川淳也候補(香川1区)と藤田大助候補(三重5区)だ。
民主党は選挙を労働組合に依存しているため、電力総連、電機連合の意向をうかがう傾向がある。
「自分だけよければ、それでいいんですか?と電力総連に申しあげたい」(河合弘之弁護士)
「再稼働に反対する」と答えたのは36人。
☆無回答128人
「民主党は脱原発をする気があるの?」(河合弘之弁護士)
~維新の党~
☆回答23人
「原発再稼働に賛成する」と答えたのは1人。鈴木宏治候補(福井1区)だ。
鈴木候補は「再稼働賛成」の理由を「(選挙区内の)人口15万人のうち3万人が原子力関係で生計を立てている。雇用確保は極めて重要」と説明している。
「再稼働に反対する」と答えたのは22人。
☆無回答54人
~次世代の党~
☆回答6人
「原発の再稼働に賛成する」と答えたのは2人。上田孝之候補(大阪8区)と西野弘一候補(大阪13区)だ。
「再稼働に反対する」と答えたのは3人。
☆無回答33人
~共産党~
☆回答230人
回答した230人全員が「原発再稼働に反対」「エネルギー政策は転換が必要であり新増設に反対する」。
☆無回答62人
~生活の党~
☆回答5人
回答した5人全員が「原発再稼働に反対」」「エネルギー政策は転換が必要であり、新増設に反対する」。
☆無回答7人
~社民党~
☆回答14人
回答した14人全員が「原発再稼働に反対」「エネルギー政策は転換が必要であり、新増設に反対する」。
☆無回答4人
~無所属~
辻恵候補(大阪9区)、亀井静香候補(広島6区)ら8人は「原発再稼働に反対」「エネルギー政策は転換が必要であり、新増設に反対する」と回答した。
アンケートの結果、「原発にNO」とはっきりした姿勢を示している政党は、共産、生活、社民であることが改めて明らかになった。
河合弘之弁護士は、次のように総括する―
「選挙はアベノミクスばかりに注目が集まっていて原発再稼働の問題はかすんでいる。それでも選挙が終われば、みそぎ が済んだとばかりに再稼働してくるだろう」
「アンケート結果は(14日の)投票の際、参考にしてほしい」。