2014年12月2日火曜日

海洋汚染は収束せず 福島 東京新聞が調査

 福島原発至近の海で、東京新聞と独協医科大学が合同で行った放射能汚染の状況調査で、専用港の出入り口などで海水に溶けた状態の放射性セシウムを検出し、現在も外洋への汚染が続いていることを確認しました。
 セシウムの濃度は、専用港の出入り口の海水は海水が1.07ベクレル/リットル、海底の砂が1345ベクレル/kg、専用港の外の海岸近くでは海水が0.10~0.11ベクレル/リットル、海底の砂が471~628ベクレル/kgなどで、海水、海底砂とも港の出入り口が最も濃度が高く、ここから拡散していることがうかがわれました
 
 この調査では独協医科大学の高性能のゲルマニウム半導体検出器を使い、海水は24時間、砂は8時間をかけ計測しました
 それに対して東電が行っている海水モニタリングは原子力規制委員会が定めた基準に沿っているものの計測時間はわずか17ほどで、セシウムを「検出せず」のオンパレードになっているということです。「検出せず」となるように計測時間を短縮してるとしか思えません。
 
 独協医科大の木村准教授は「高性能な測定機器を使っても、短時間の測定では、信頼される結果を得られない。海の汚染は続いており、東電は事故の当事者として、汚染の実態を厳密に調べ、その事実を公表する義務がある」と指摘しています
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海洋汚染、収束せず 福島第一 本紙調査でセシウム検出
東京新聞 2014年12月1日
 東京電力福島第一原発至近の海で、本紙は放射能汚染の状況を調べ、専用港の出入り口などで海水に溶けた状態の放射性セシウムを検出した。事故発生当初よりは格段に低い濃度だが、外洋への汚染が続く状況がはっきりした。一方、東電は精度の低い海水測定をしていながら、「検出せず」を強調する。事故当事者としての責任を果たしているのかどうか疑問がある。 (大野孝志、山川剛史)
 
 本紙は十月二十日、地元漁船をチャーターし、独協医科大学の木村真三准教授(放射線衛生学)と合同で原発周辺五カ所の海水と海底土(砂)を採取。後日、同大の高性能のゲルマニウム半導体検出器を使い、それぞれ二十四時間、八時間かけ計測した。海水はろ過し、ちりなどに付着したセシウムは除去した。
 結果は図の通りで、水、砂とも港の出入り口が最も濃度が高く、ここから拡散していることがうかがえる。注目されるのは、同地点の海水から一リットル当たり一・〇七ベクレルのセシウムを検出したことだ。「一ベクレルの海水=食品基準の一〇〇ベクレルの魚が捕れる可能性」が一つの目安としてあり、決して無視できない汚染といえる。
 東電は原子力規制委員会が定めた基準に沿って海水モニタリングをしているが、日々の公表資料は「検出せず」の記述が並ぶ。計測時間はわずか十七分ほどで、一ベクレル前後の汚染はほとんど見逃すような精度しかない。大型魚用の網で小魚を捕ろうとするようなものだ。
 東電の担当者は「国のモニタリング基準に沿っている」と強調する。
 原子力規制委事務局の担当者は「高濃度汚染がないか監視するのが目的。迅速性が求められ、精度が低いとは思わない」としている。
 しかし、かつての高い汚染時なら、精度が低くても捕捉できたが、現在のレベルなら、やり方を変えないと信頼できるデータは出ない。汚染が分からないようにしているのではないかとの疑念を招きかねない。
 地元、相馬双葉漁協の高野一郎・請戸(うけど)支所長は「何度調べても汚染が検出されなければ、私たちも消費者も安心できる。しかし、国や東電がきちんと調べてくれないと、誰も信用できない」と語った。
 木村准教授は「高性能な測定機器を使っても、短時間の測定では、国民や漁業関係者から信頼される結果を得られない。海の汚染は続いており、東電は事故の当事者として、汚染の実態を厳密に調べ、その事実を公表する義務がある」と指摘している。
 
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