東北電力女川原発(女川町、石巻市)の再稼働の是非について、女川町住民アンケートを実施していた町議有志3人は4日、集計結果を須田善明町長に報告しました。
アンケートは全世帯を対象に行い、約28%の675世帯から回答があり、回答世帯の6割近くが再稼動に反対で、賛成は2割でした。
町長は、「まずは安全性の確立が第一だ」と認めたうえで、「他県にまたがる電源供給をどうするかという問題は一自治体の判断ではなく、全体を捉えた政治的な判断が必要になる」として、従来と同様に住民投票や意向調査をする考えはないと述べました。
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女川原発再稼働反対6割、賛成2割
河北新報 2014年12月5日
◎女川全世帯調査 議員有志、町に報告
東北電力女川原発(女川町、石巻市)の再稼働の是非について女川町の全世帯を対象に住民アンケートを実施していた町議有志3人は4日、集計結果を須田善明町長に報告した。回答者の6割近くが反対で、賛成は2割だった。
アンケートは9月24日から町外のみなし仮設住宅などを除く2440世帯に調査票を配布し、11月末までに郵送で回答。回収率は27.7%(675世帯)だった。
国の原子力規制委員会が安全審査を進めている女川原発2号機の再稼働については、賛成が20.0%、反対は58.7%。賛成、反対の両方を選んだ回答も16.0%あった。
理由(複数回答)は賛成が「町は原発がないとやっていけない」が最多で、「規制委が『合格』とした場合、賛成する」「電気料金が高くなると困る」などだった。反対は「福島のような事故が心配」が最も多く、「お金よりも命の方が大切」「事故が起きたら復興の努力が水の泡になる」と続いた。
調査した高野博町議(共産党)は「現状では町が2号機再稼働の受け入れを表明する条件は全くない」と強調。町が住民意向調査を実施するよう須田町長に申し入れた。
須田町長は「福島第1原発事故が原発立地自治体の住民、国民に不安を抱かせたことは間違いない。まずは安全性の確立が第一だ」と述べた。
その上で「これまで女川原発は東北7県に電気を供給してきた。その電源供給をどうするかという問題は一自治体の判断ではなく、全体を捉えた政治的な判断が必要になる」として、従来と同様に住民投票や意向調査をする考えはないことを示した。
須田町長(手前左)に原発再稼働の住民アンケート結果を報告す
る高野町議(右端)ら