大飯原発3、4号機と高浜原発3、4号機の再稼働差し止め仮処分申請を大津地裁が却下した決定について、住民側は1日、大阪高裁への即時抗告をしないと発表しました。再稼働が決まってから改めて仮処分を申請する方が、抗告するよりも差し止め決定が出る可能性が高いと判断したためです。
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関西電力は、運転開始から約40年経過した高浜原発1、2号機の「特別点検」に着手しました。原子炉の劣化状況などを詳細に調べるものですが、その方法に合理性があるものかが注目されます。特別点検の実施は関西電力が初めてです。
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大飯・高浜原発:差し止め却下、住民側抗告せず
毎日新聞 2014年12月01日
滋賀県の住民らが関西電力を相手取り、福井県にある大飯原発3、4号機と高浜原発3、4号機(いずれも停止中)の再稼働差し止めを求めた仮処分申請を大津地裁が却下した決定について、住民側弁護団は1日、大阪高裁への即時抗告をしないと発表した。
弁護団は「再稼働が決まってから改めて仮処分を申請する方が、抗告するよりも差し止め決定が出る可能性が高いと判断した」と説明している。大津地裁は決定で、住民の避難計画が策定されていないなどと指摘した上で「早急に再稼働が容認されるとは考えにくく、差し止めの緊急性がない」と判断した。
一方、関電は「安全性が確認された原子力プラントについては、立地地域の理解を得ながら、一日も早い再稼働を目指す」とのコメントを出した。【田中将隆】
関電、高浜原発の特別点検着手 再稼働へ劣化調査
東京新聞 2014年12月1日
関西電力は1日、運転開始から約40年経過した高浜原発1、2号機(福井県)の「特別点検」に着手したと発表した。原則40年とされる運転期間の延長を目指して、原子炉の劣化状況などを詳細に調べる。特別点検の実施は関西電力が初めて。
まず高浜1号機の原子炉格納容器の鋼板が劣化していないかどうかを運転員が目視で点検する。その後コンクリート構造物なども全体的に調べる。点検には3~4カ月かかる見通しで、問題が無ければ、来春にも運転延長の認可を原子力規制委員会に申請する。