福島の高校生の活動に迫る 原発事故後の記録映画上映へ
東京新聞 2018年2月18日
東京電力福島第一原発事故の後、福島の姿を知ってもらおうと行動を起こし、全国各地の同世代と交流した高校生たちを追ったドキュメンタリー映画「種まきうさぎ フクシマに向き合う青春」(森康行監督)が三月二日、台東区の上野区民館(池之端一)で上映される。
核兵器の廃絶を訴える市民団体「上野の森に『広島・長崎の火』を永遠に灯(とも)す会」(事務局・文京区本郷)が主催。一九五四年三月一日、静岡県の遠洋マグロ漁船が太平洋のマーシャル諸島ビキニ環礁で米国による水爆実験で被ばくした「ビキニデー」にちなむ集会「GO!誓いの火 春のつどい」のメインプログラムだ。
全国で自主上映されているこの映画は、水爆実験で被災したマーシャル諸島で、「あなたは福島のことを伝えて、それから何をするの?」と現地の人に問い掛けられる場面もある。ナレーションは女優の大竹しのぶさん。
原爆投下直後の残り火がルーツの「広島・長崎の火」は、上野東照宮(台東区)でともされ続けている。この火を守り、核のない世界の実現を訴えようと、集会は毎年開かれている。
灯す会の常任理事川杉元延さん(76)は「映画に登場するのと同じような、若い世代にぜひ『種まきうさぎ』を見てほしい」と呼びかけている。
集会は午後六時半から。簡単な映画の解説もある。資料代五百円。問い合わせは、灯す会事務局=電03(3818)6151=へ。 (井上幸一)