昨年5月~今年1月に、浜岡原発の排水口付近や、二つの排水マスを連結した配管内の3カ所で放射性物質を含む樹脂が見つかりました。
それは復水(原子炉で発生させた高圧の蒸気で発電機と直結してるタービンを回したのちに冷却されてできた凝縮水)中から不純物(放射能化されている)を除くためのイオン交換樹脂が何らかの理由で漏れたものです。
今後、図面とは違って排水マスをなぜ配管で連結したのかの経緯を含めて、樹脂が漏れた理由を調査するということです。
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浜岡原発 図面と異なり配管で接続 汚染樹脂堆積の排水口
産経新聞 2018年2月9日
中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の「廃棄物減容処理装置建屋」の地下2階と地上2階で、排水口周辺に放射性物質を含む樹脂が見つかった問題で、中部電は8日、2カ所の排水口が現場の図面と異なり、配管でつながっていたと発表した。配管内の3カ所で同様の樹脂が堆積しているのも確認した。
樹脂は昨年5月に地下2階で、今年1月に地上2階で、それぞれ排水口周辺に堆積しているのが見つかった。昨年5月の樹脂について中部電は、原子炉の冷却水浄化に使ったものが排水口から噴き出したとしており、同じものが地上2階でも噴き出した可能性が高いとみて調査。配管の接続が図面と異なっていた原因も調べる。
中部電によると、地上2階の別の排水口につながる配管も、接続先が図面と異なっていた。樹脂は直径約0・5ミリでピンク色。保安規定で定める基準を超える放射性物質が検出された。
堆積物、17年春に発生か 浜岡原発の廃棄物建屋
静岡新聞 2018年2月9日
中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)の廃棄物減容処理装置建屋2階で1月に放射性物質を含む粒状の樹脂の堆積物が見つかった問題で、中電は8日、この堆積物は昨年5月に発生した可能性が高いとの調査結果をまとめた。
堆積物は床面の排水升の周囲で見つかった。昨年5月には同建屋で樹脂を含む廃液の排水手順にミスがあり、地下2階で樹脂が配管を逆流し排水升から噴出するトラブルが生じた。今回の調査で、両方の排水升がつながっていて、廃液の処理作業は昨年5月に1回しか行っていないことが判明。これらの結果から1月のトラブルの発生時期を判断した。
同建屋の配管内に小型カメラを入れて調査したところ、2階と地下2階で計3カ所、内部に堆積物があるのが確認された。地下2階の配管は昨年5月のトラブルを受けて点検した。その際は見つかっておらず、後日何らかの形で堆積したとみられるという。
1月に堆積物が見つかった排水升につながる配管は施工と図面が異なっていることが分かっているが、2階でもう1カ所、同様の場所があることも判明した。中電は、これらの原因についてより詳細な調査を行う。