デブリ取出しをロボットで行う際に、半導体でできている監視カメラの受像部が放射線に耐えられずに大きな問題になっていましたが、浜松ホトニクスは、半導体の代わりに真空管を組み込むことで解決しました。
毎時1万シーベルトもの強烈な放射線量下でも約200時間カメラが作動することを確認しました。このライフは半導体製の従来品の2千倍となります。
ビッグニュースです。
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デブリ撮影に浜ホト貢献 真空管カメラ、福島原発投入へ
静岡新聞NEWS 2018/2/11
浜松ホトニクスは東京電力福島第1原発の溶け落ちた核燃料(デブリ)取り出しに必要な、極めて高い放射線量に耐えられるカメラを試作した。半導体の代わりに昔のラジオに使われていたような真空管を組み込んだ。国と東電が取り出し作業の開始を目指す2021年に向け、改良を進める。
担当者は「技術はハイテクになるほど放射線への耐性が弱くなる。ローテクを駆使する必要があった」と話している。
国と東電はこれまで、デブリのある1~3号機で内部調査を実施した。使われたカメラは累積でおおむね千シーベルトに耐え、約10時間稼働する設計だった。光を捉えるセンサーは一般のデジタルカメラと同じ半導体だが、放射線の影響を受けやすく、デブリ近くで稼働させるのは難しい。
デブリを取り出すときは工具の動きなどを確認するため、カメラはデブリに数十センチ程度まで接近する必要がある。原子炉中心部の圧力容器内部やその直下での作業となるため、従来の内部調査より放射線量は格段に高くなるのは確実だ。
浜松ホトニクスは放射線の影響を受けにくい真空管に着目し、センサーに採用した。実験では毎時1万シーベルトもの強烈な放射線量を浴びても約200時間、正常にカメラが作動することを確認した。累積200万シーベルトの放射線に耐えられる計算で、従来品の2千倍となる。