2018年2月21日水曜日

上関町議選 原発反対派議席増も得票率伸びず 

 18日に投開票された山口県上関町議選(定数10)で、上関原発反対派は前回を1人上回る3人が当選しましたが、得票率は236低落傾向に歯止めをかけられませんでした。
 また、候補擁立の過程でしこりを残しました。
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上関町議選 原発反対派議席増も得票率伸びず 
候補擁立でしこり 関係修復には時間 /山口
毎日新聞 2018年2月20日
推進派1議席減、町長「大勢影響ない」
 18日に投開票された上関町議選(定数10)は、中国電力(広島市)が計画する上関原発建設の推進派7人、反対派3人が当選し、反対派は前回から1議席を上積みした。原発建設の鍵を握る国のエネルギー基本計画の見直しが進む中、新議会での論戦が注目される。【松本昌樹、土田暁彦】

反対派
 反対派は3人全員が当選したが得票率は23・6%にとどまり、低落傾向に歯止めをかけられなかった。また、候補擁立の過程で、しこりを残した。

 原発建設予定地の対岸の祝島を拠点に反対運動を続けてきた「上関原発を建てさせない祝島島民の会」からは推薦の現職と元職のベテラン2人が当選。島にIターンやUターンした若手グループが選挙戦を支え、元職は「若手を政策サポーターとして、議会に声を届ける」と強調する。
 一方、会を脱退する形で出馬した新人は「(祝島ではなく)本土側でも一定の支持を得た」と初当選を喜ぶ。ただ、会推薦の元職は「反対派が増えたことは良かった」としながらも「(出馬の)プロセスを考えると、残念なことだった」と述べ、関係修復には至っていない。

推進派
 2011年の東京電力福島第1原発事故を受けて上関原発の準備工事は中断したままだが、16年には県が中国電の公有水面埋め立て工事免許延長を許可。ただし、国のエネルギー基本計画は改定作業中で、原発の新増設が明記されるかは不透明だ。ある現職は「原子力は国策。我々がいろいろ言っても思うように進まないのが実情だ。いがみ合っていては町は存続できない」と当面は、原発への賛否を超えた町づくりを優先する考えだ。
 推進派が前回から1議席減らしたが、柏原重海町長は「大勢に影響はない。国の方針が決まってない以上、何も変わってない」と繰り返した。

 一方、町の先行きに、有権者は危機感をあらわにする。原発建設予定地に近い四代地区の推進派の男性は「国は計画を進めるとは言えないだろう。我々はどう生き延びればいいのか」と嘆いた。 〔山口東版〕