2014年7月7日月曜日

再稼働の動きに懸念 原発避難者が横浜で集会

神奈川新聞 2014年7月6日
 東京電力福島第1原発事故で古里を追われ、避難生活が4年目に突入した避難者の声を聞く集会が5日、横浜市西区の神奈川婦人会館で開かれた。長期避難が確実となり経済的、精神的に厳しさを増す一方、「汚染のことを言えない雰囲気になっているのが怖い」と、復興や帰還が強調され原発再稼働の動きが進むことを懸念する声も上がった。
 
 集会は「福島原発事故から逃れて・4年目の避難生活」と題し、日本ジャーナリスト会議県支部(伊東良平代表)が主催。避難者や県民約50人が参加した。
 福島県富岡町(避難区域)から家族7人で神奈川に避難し、支援団体「避難・支援ネットかながわ」代表を務める坂本建さん(46)=横浜市旭区=は「避難区域外にも汚染地域はある。賠償や支援の手が薄い自主避難者への支援が必要」と訴えた。「避難区域も汚染が残ったまま縮小される危惧がある。子どもたちを守るため、避難を当たり前のことにしたい」と語った。
 「原発はなくて当たり前。再稼働や原発輸出なんてナンセンスだと思う」と現状を憂慮したのは、長女(8)と大玉村(区域外)から相模原市に避難している鹿目久美さん(46)。市民団体「母ちゃんず」で福島の子どもたちの保養キャンプ活動に携わっており、福島の子どもたちは「外で遊べない弊害が出ていて、積極性がなくなっている」と指摘。「お母さんをキーワードに、子どもたちを守るためにつながっていきたい」と呼び掛けた。
 いわき市(区域外)から家族4人で東京都に避難し「ひなん生活を守る会」会長を務める鴨下祐也さん(44)は、避難者への行政サービスが機能していない現状などを報告。「原発から離れた地域でも多くの問題が生じている。その認識が広まれば、国民が原発再稼働を思いとどまるきっかけになる」とした。