安倍首相は18日夜、福岡市内で九州経済連合会会長、JR九州相談役らと会食し、原発の早期再稼働を要請されたのに対して、「川内(原発)は何とかしますよ」と答えたということです。
原子力規制委は、規制基準審査合格は規制基準に合致しているという意味で安全を保障するものではないし、再稼動するかの判断にも関与しないという立場を明言しています。政府もまた建前上は再稼動には関与しないという立場です。
従って「再稼動は電力事業者と地元自治体の二者の協議で決める」とされているので、首相の発言はそれに間接的に関与するという意味と考えられます。
こうした仕組みの中で、住民の避難計画の実効性などが無視されることになります。首相は二言目には世界一厳しい基準と言いますが、それは逆で、最も重要な最後の砦が欠落している基準というべきです。
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川内原発の再稼働、首相「何とかする」
日経新聞 2014年7月18日
安倍晋三首相は18日夜、福岡市内の日本料理屋で麻生泰九州経済連合会会長、石原進JR九州相談役らと会食した。石原氏らは原子力発電所の早期再稼働を要請。会食後に取材に応じた石原氏によると、首相は原子力規制委員会が新たな規制基準を満たすと認めた九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)について「川内(原発)は何とかしますよ」と答えたという。
安倍政権は規制委が新基準に適合すると認めた原発は再稼働を進める方針。菅義偉官房長官は16日の記者会見で「安全性は規制委に判断を委ねている。個々の再稼働は事業者の判断で決める」と述べていた。