2014年7月14日月曜日

滋賀県知事選 「卒原発」候補者が勝利

 13日投開票された滋賀県知事選は、嘉田由紀子知事の後継として「卒原発」を訴えた三日月大造氏(43)が、元経済産業官僚の小鑓隆史氏(47)=自民、公明、維新推薦=との接戦を制し、初当選しました。
 この結果が政府が目指す原発再稼動のブレーキになって欲しいものです。
 
  実質的に自民党候補者であった小鑓氏は、2月に立候補を表明し「安倍政権の成長戦略」との連携を訴えて戦いました。そして接戦が伝えられると麻生副総理や甘利経再ら、延べ約170人の自民党などの国会議員が応援のマイクを握りました。
 
  結果は僅差でしたが、反自民党候補が当選するか否かは決定的に重要なことであり、もしもこの勝利が沖縄の知事選にもつながるならば、安倍政権に与えるダメージはかなり大きいものとなります。(そういう意味でも反自民が分裂して戦った都知事選の結果は極めて残念なことでした)
 
 開票結果は下記の通りです。
    三日月 大造 (無所属・新)  当選   . 25万3728票
    小鑓 隆史   (無所属・新)        .24万652票
    坪田 五久男 (無所属・新)        ...... 5万3280票
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三日月氏、接戦制す 滋賀県知事選
朝日新聞 2014年7月14日
 13日投開票された知事選は、嘉田由紀子知事の後継として「卒原発」を訴えた前民主党衆院議員の三日月大造氏(43)が、元経済産業官僚の小鑓(こやり)隆史氏(47)=自民、公明、維新県総支部推薦=、共産党県常任委員の坪田五久男(いくお)氏(55)=共産推薦=を破り初当選した。
 
■無党派層から支持
 大津市浜町の琵琶湖ホテル内に設けられた会場に、三日月氏当選の知らせが入ると、詰めかけた支持者から拍手が起きた。会場にかけつけた三日月氏は、嘉田知事とともに、何度も万歳を繰り返した。
 
 3月の民主党県連大会で「重大な決意で知事選に臨む」と立候補の意思を表明。その後、嘉田知事と候補者の一本化交渉を続けた。嘉田知事の「卒原発」政策などを引き継ぐことを約束し、5月に知事に後継指名された。民主党を離党し、無所属で立候補。嘉田知事と二人三脚で選挙戦を進めた。
 「中央の独善暴走から滋賀の自治を守る」と訴え、民主、社民、嘉田知事を支援する地域政党「対話の会」、連合滋賀などが結集したほか、嘉田氏の支援者を中心に子育て世代の母親や若者らが勝手連的に集会を開くなど、無党派層にも支持を広げた。
 「民主」色を表に出さなかったものの、党は全力で支援した。党選対委員長の馬淵澄夫衆院議員、細野豪志衆院議員ら党所属の国会議員50人以上が滋賀入りした。連合滋賀も、これまで県内の34産別労組約7万人に送っていた選挙はがきを、さらに大阪など県外に通勤する組合員約2万人に初めて配送するなど、組織戦にも力を入れた。
 陣営幹部は「滋賀の自治を守るために色々な人たちが違いを乗り越え共闘する『新しい滋賀方式』を築く素地ができた。この知事選は地方から国政を変える潮目になる」と勢いづく。
 
■小鑓氏「成長戦略」届かず
 大津市馬場2丁目の選挙事務所。落選が濃厚になると、会場は重苦しい空気に包まれた。支援者の前に現れた小鑓氏は、日焼けした顔に疲れた表情を浮かべ、深々と頭を下げた。
 2月に立候補を表明。内閣官房で安倍政権の成長戦略づくりに携わった。会見で「安倍政権の成長戦略が地方へどう波及するかという問題意識を持っていた」と語った。政権与党の自民、公明が推薦。維新県総支部からも推薦を受けた。
 
 自民党は支援に力を入れ、告示前から閣僚級も含めて国会議員らが続々と県内入りした。麻生太郎副総理や甘利明経済再生担当大臣ら、延べ約170人がマイクを握り「国政との連携を」と訴えた。
 だが期間中、都議会の自民党議員によるヤジ問題や、石原伸晃環境相の「金目」発言、集団的自衛権の閣議決定などで自民に対する批判が高まった。陣営は、無党派層に人気の小泉進次郎内閣府政務官や、日本維新の会の橋下徹共同代表に応援を依頼し、巻き返しを図ったが、三日月氏の勢いに及ばなかった。幹部の一人は「かつて無いほど組織は動いた。国政の影響を受け続ける厳しい選挙だった」と語った。
 
■坪田氏 支持広がらず
 大津市梅林1丁目の坪田氏の事務所では、三日月氏の優勢が伝わると、集まった支持者約20人は静まりかえった。
 4月に無所属で立候補を表明。昨年の参院選を含めて国政選挙に計5回、共産党公認で挑んだ経験も生かし、「暴走政治にストップを」と安倍政権への批判を繰り返した。
 福井地裁が5月に原発の運転差し止めを命じ、「廃炉を主張し、再稼働を許さないのは自分だけ」と強調。今月1日の集団的自衛権行使容認の閣議決定後は「平和国家の道をたった一度の閣議決定でひっくり返した」と訴えを強めた。
 共産党の市田忠義副委員長ら国会議員も応援に駆けつけたが、三日月、小鑓両氏が競り合う中で、支持が広がらなかった。