指定廃棄物の最終処分場の受け入れに一貫して反対している加美町の猪股洋文町長は、28日、処分場建設のための詳細調査を国が反対を押し切って行う場合、調査の差し止めを求め提訴することも視野に対応する方針を明らかにしました。
これまでも加美町の反対を押し切って受け入れる調査を受け入れるという話はありましたが、25日の福島県内の市町村長会議で、石原環境相が全市町村の意見集約を一任した村井嘉浩知事が、会議後に、加美町の反対を押し切って調査を受け入れる可能性について、「選択肢としてはある」と話したことが背景にあります。
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最終処分場 調査差し止めへ提訴も
河北新報 2014年7月29日
指定廃棄物の最終処分場建設をめぐり、加美町の猪股洋文町長は28日の定例記者会見で、町が受け入れを拒否する詳細調査を国が反対を押し切って行う場合、調査の差し止めを求め提訴することも視野に対応する方針を明らかにした。
猪股町長は「調査を強行すれば町民が黙っていない。法的手段も含め、あらゆる手段を講じる」と強調。「候補地の選定過程に大きな問題があるのは明らか。訴えるべき理由は間違いなくある」と述べた。
調査受け入れをめぐっては25日に仙台市であった県内の市町村長会議で、石原伸晃環境相が村井嘉浩知事に全市町村の意見集約を一任し了承を得た。村井知事は会議後、加美町の反対を押し切って受け入れる可能性について「選択肢としてはある」と話していた。
意見集約を村井知事に一任した石原氏について、猪股町長は「加害者の国が被害者の県に押し付けるのは責任放棄だ」と批判。廃棄物処理の枠組みを定めた放射性物質汚染対処特別措置法と、同法に基づき各県処理を定めた国の基本方針の見直しを求めた。
次回市町村長会議の前に、村井知事が調査受け入れを求め、3候補地の首長と会談する考えを示したことに対し「知事が私を説得できるはずがない。何を持って説得できるのか理解できない」と語った。