自民党の電力安定供給推進議連は、原子力規制委の再稼働審査の迅速化や、原発の建て替えの明確化を求める提言案をまとめ、月内にも政府に提出するということです。提言案には、規制委の運営が改善されなければ「原子力規制委設置法の改正案も検討する」ことも盛られているということです。
まことに原子力村の利益代弁者の面目躍如ですが、それだけのことで、主張の正当性を示すものは何もありません。驚くべき空虚さです。
大飯原発運転差止の福井地裁判決などは勿論読んでいないのでしょう。
一方、小泉元総理大臣は都内で講演して、今後のエネルギー政策について、「原発は安全ではないし、コストも一番高い。そのうえ避難路の確保やテロ対策も不十分で、推進の論理は完全に破綻している」と述べました。そして「政府は、『世界一厳しい安全基準だから再稼働する』と言うが、再稼働できるはずがない」と述べました。
新自由主義の弊害を撒き散らかした小泉氏の首相時代については何も評価できませんが、脱原発に関する主張は端的で常に正論です。
~~~~~~~~~~~~~~~~
自民・電力安定供給推進議連:再稼働審査の迅速化提言へ
毎日新聞 2014年07月07日
自民党の電力安定供給推進議連(細田博之会長)は7日までに、原子力規制委員会の原発再稼働審査の迅速化や、将来的な原発の建て替え(リプレース)の明確化を求める提言案をまとめた。月内にも政府に提出する。同議連では、原子力規制委の安全審査の遅れに不満の声が高まっており、提言案は、同委員会の運営が改善されなければ「原子力規制委設置法の改正案も検討する」とけん制した。
提言案は、原発停止による火力発電の燃料コスト増が年間約3・6兆円に達し、貿易赤字の拡大など経済に悪影響を与えているとして、原発の早期再稼働は「国家的急務」と指摘。原発の「安全第一主義」を前提としつつ、原子力規制委の安全審査を「効率的かつ迅速に行う必要がある」と審査のスピードアップを求めた。
原子力規制委は昨年7月に再稼働審査を開始。これまでに12原発19基が審査を申請したが、まだ1基も審査をクリアしていない。同議連内では、原発周辺の活断層の認定など原子力規制委の審査手法が「独善的」との批判の声が上がっており、提言案では、原子力規制委に対し「審査の透明性を高める」ことや、有識者や原子力事業者などと「幅広くコミュニケーションし、公平・公正な判断を行う」ことを要求した。【中井正裕、笈田直樹】
小泉元首相 原発再稼働方針を重ねて批判
NHK NEWS WEB 2014年7月7日
小泉元総理大臣は東京都内で講演し、今後のエネルギー政策に関連して「原発推進の論理は完全に破綻している」と述べ、原子力規制委員会で安全が確認された原発は運転再開を決定するという政府の方針を重ねて批判しました。
この中で小泉元総理大臣は今後のエネルギー政策に関連して、「原発は安全ではないし、コストも一番高いうえ避難路の確保やテロ対策も不十分で、推進の論理は完全に破綻している」と述べました。そのうえで小泉氏は「政府は、『世界一厳しい安全基準だから再稼働する』と言うが、再稼働できるはずがない」と述べ、原子力規制委員会で安全が確認された原発は、運転再開を決定するという政府の方針を重ねて批判しました。
また小泉氏は、原発から発生する高レベル放射性廃棄物の最終処分場について、「『原発を再稼働して核のゴミが出るから処分場をつくってくれ』と言っても無理だ。『原発をゼロにするからなんとか協力してくれ』ということにしなければ住民は協力しない」と指摘しました。