再稼働の審査が最も早く進む川内原発の9市町では、87ある病院のうち、策定が終わったのは1施設だけで、153の社会福祉施設で計画を作ったのは、6施設だけでした。
この1点だけでも再稼動などは考えられないことです。
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原発30キロの病院、避難計画作成1割 遅れる弱者対策
朝日新聞 2014年6月18日
再稼働の審査が先行している6原発の半径30キロ圏内にある全52市町村の避難計画のうち、病院で個別の避難計画を作っていたのは全217施設中18施設(8%)にとどまることがわかった。老人ホームなど社会福祉施設も全823施設中204施設(25%)で、入院患者ら避難弱者の計画作りがほとんど進んでいない実態が明らかになった。
朝日新聞は先月下旬、再稼働審査が先行する泊(北海道)、高浜(福井県)、大飯(同)、伊方(愛媛県)、玄海(佐賀県)、川内(鹿児島県)の6原発から30キロ圏にある11道府県を通じて避難計画の策定状況を調査した。
国の先月末時点の調べで、全体の住民向け避難計画は全ての市町村が作成済みだった。各道府県の地域防災計画では病院や、老人ホームなど社会福祉施設に対し、個別の避難対策を取るよう求めているが、避難弱者対策の遅れが顕著になっている。
福島原発事故で住民避難を指揮した福山哲郎元官房副長官が政府事故調査・検証委員会に語った「福山調書」で、政府は当初から広域の住民避難を想定しながら、一気に住民を避難させることで交通渋滞が激化し、かえって避難遅れとなる事態を懸念、避難区域を徐々に広げた経緯が明らかになっている。
福島原発事故では長時間の避難が負担となり、高齢者の死亡が相次いだ。避難の混乱を教訓に、国は事故後の2012年、避難計画を作る自治体の対象を原発半径8~10キロ圏から30キロ圏に拡大する方針を決定。高齢者ら避難の難しい住民には特に配慮するよう求めた。
再稼働の審査が最も早く進む川内原発の9市町では、87ある病院のうち、策定が終わったのは1施設だけ。153の社会福祉施設で計画を作ったのは、6施設だった。