2014年6月15日日曜日

鹿児島知事が「要援護者の原発避難は10キロで十分」と

 鹿児島県の伊藤祐一郎知事は13日、「要援護者の避難計画は10キロで十分。30キロまでは現実的ではなく不可能だ」と述べました
 県の地域防災計画は、川内原発から30キロ圏内の社会福祉施設や医療機関などが避難計画を策定するよう定めています。
 避難計画が立てられないということであれば、即「稼動が出来ない」ということを意味します。
 
 川内原発のゲート前で14日開かれた再稼働反対集会のなかでも、この伊藤祐一郎知事への批判相次ぎました
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鹿児島知事「要援護者の原発避難計画、30キロは無理」
朝日新聞 2014年6月14日
 鹿児島県の伊藤祐一郎知事は13日、「要援護者の避難計画は10キロで十分。30キロまでは現実的ではなく不可能だ」と述べた。県の地域防災計画は、重大事故に備えて、川内原発から30キロ圏内の社会福祉施設や医療機関などが避難計画を策定するよう定めており、矛盾した発言だ。
 
 この日、再稼働反対の署名とともに要援護者の避難計画が未策定のままでの再稼働に反対する要請書が、知事や議会に出された。この点を報道陣に問われた伊藤知事は「10キロまでの計画はきちんと作る。(10キロ~30キロ圏は)時間をかけたら空想的なものは作れるが、実際問題としては、なかなかワークしないでしょう」と発言した。「原子力規制委員会も当分は10キロと言っている」とも述べた。
 
 しかし原子力規制庁は、取材に対し「規制庁としては計画策定の範囲を10キロと指定しているわけではない」としている。
 
 
知事発言に批判の声 川内原発ゲート前で集会鹿児島
朝日新聞 2014年6月15日
 九州電力川内原子力発電所(薩摩川内市)のゲート前で14日、県内外の市民グループが再稼働に反対する集会を開いた。要援護者の避難計画について「10キロ(圏)で十分」と発言した伊藤祐一郎知事への批判も相次いだ。
 
 集まったのは約220人(主催者発表)。県庁前で13日、再稼働反対を訴えた集会の参加者たちだ。
 
 東京電力福島第一原発の事故後、全町避難が続く福島県富岡町から水戸市に転居中の木田節子さん(60)はマイクを握った。10~30キロ圏の要援護者の避難計画づくりを「現実的でなく不可能だ」と述べた伊藤知事の発言に触れ、「県民を見捨てている」と批判。「でも、その知事を選んだのは県民。同じように原発に前のめりで、いまだに引責辞任もしない福島県知事を選んでいたことに事故が起きて初めて、私たちは気づいた」と述べた。