日本原子力研究開発機構(JAEA)は18日、1年間に森林斜面から土砂とともに流出する放射性セシウムの割合は、表土に含まれるセシウムの最大0・5%とする調査結果を発表しました。セシウムは表土に吸着され、下流側への移動はほとんどないという分析です。
1キロ当たり最大3万ベクレルも表土に含まれているセシウムは、今後は自然減衰(30年で1/2)に任せるしかないというわけです。
そして0・5%程度の流出とはいえ、森林は広範囲に汚染されていてその絶対量が膨大であるため、一帯に存在する湖沼は濃厚に汚染され魚類は食用にはならず、まだ減衰する傾向を見せていません。
河川を通じて海に流れ出ているセシウムの量も莫大です。
機構は調査結果を森林内での作業時や生活圏での外部被ばく線量、農作物や水産物の放射性物質の評価に活用してもらいたいとしているということですが、そういうことでいいのでしょうか。
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森林セシウム流出0.5% JAEA調査、表土にほぼ吸着
福島民友ニュース 2014年6月19日
日本原子力研究開発機構(JAEA)は18日、1年間に森林斜面から土砂とともに流出する放射性セシウムの割合は、森林全体の傾向として表土に含まれるセシウムのうち最大0・5%とする調査結果を発表した。機構は「セシウムはほとんどが表土に吸着され、下流側への移動はほとんどない」と分析している。
機構は昨年度、東京電力福島第1原発事故により避難指示が出された市町村で、森林から河川、ダム湖・ため池、河口域に至るまでの水系に沿ってセシウムの動きを調べた。
川内村荻地区の調査では、森林の表土に含まれるセシウムは最大で1キロ当たり3万ベクレル程度だったのに対し、下流側のダム湖の水の濃度は1リットル当たり0・01ベクレル未満だった。
一方、ダム湖の底の土からはセシウムが1キロ当たり最大で1万ベクレル程度を検出。表土に付着したセシウムはほぼ移動しないとみているが、森林を流れる沢などに汚染された土砂が混ざってダム湖に運ばれて湖底に堆積したとみられる。機構は「湖水中のセシウム濃度は非常に低い濃度で保たれている。ダムは、さらに下流側にセシウムが移動するのを食い止める効果もある」と説明している。
機構は今後も水系に沿ったセシウム調査を継続。関係市町村などに結果を示し「森林内での作業時や生活圏での外部被ばく線量、農作物や水産物の放射性物質の評価に活用してもらいたい」としている。