福島民友ニュース 2014年6月13日
東京電力福島第1原発の汚染水対策「地下水バイパス計画」で、東電は12日夜、地下水を海に放出する際の東電の基準値を上回る放射性物質が検出されたため、使用を停止していた専用井戸1本からのくみ上げを再開した。この井戸の水と他の11本の井戸の水を混ぜた場合の試算数値が東電基準を下回り、東電は「海洋放出の条件は十分に達成した」と判断した。
この井戸では、5月21日に地下水の海洋放出が始まって以降、東電の水質分析では5回連続で放射性トリチウム(三重水素)濃度が東電基準(1リットル当たり1500ベクレル)を上回った。これまで最高で1リットル当たり1700ベクレル検出したが、東電の試算では他の11本の井戸水と混ぜた場合の濃度は同約190ベクレルまで低下するという。
海への放出は、計12本の井戸の水を集めた段階で水質を分析し、基準値を下回ることが条件。ただ、東電は基準を超える放射性物質が検出された井戸ごとに使用を停止し、濃度の傾向を監視した上で再開の可否を判断するとしていた。