27日付の朝日新聞が、「原発コストは火力より割高」の記事を載せました。
これは既に知られていることですが、いわゆる5大紙が記事にしたのはあまり見かけません。
ようやく原発は割高ということが公認されたわけで、今後「原発が低コスト」という偽りのスローガンは急速に崩れて行くことになります。
電力会社の経営分析で著名な大島堅一立命館大教授と、賠償や除染の調査で知られる除本理史大阪市大教授が最新資料を分析した結果、全国の原子力発電所が2015年に再稼働し稼働40年で廃炉にする場合、原発の発電コストは11・4円/キロワット時となり、10円台の火力発電より割高となることがわかりました。
因みに火力発電の発電コストは、石炭火力が10・3円、LNG(液化天然ガス)火力が10・9円です。(重油の火力燃料に占める比率は14%に過ぎません。)
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原発コストは火力より割高に 専門家が試算、発表へ
朝日新聞 2014年6月27日
運転を止めている全国の原子力発電所が2015年に再稼働し、稼働40年で廃炉にする場合、原発の発電コストは11・4円(1キロワット時あたり)となり、10円台の火力発電より割高となることが、専門家の分析でわかった。東京電力福島第一原発の事故対策費が膨らんでいるためだ。政府は原発を再稼働する方針だが、「コストが安い」という理屈は崩れつつある。
電力会社の経営分析で著名な立命館大学の大島堅一教授と、賠償や除染の調査で知られる大阪市立大学の除本理史(よけもとまさふみ)教授が分析した。近く専門誌に発表する。
両教授が、政府や東電などの最新資料を分析したところ、福島第一原発の事故対策費は約11兆1千億円に達した。政府が昨年12月に示した「11兆円超」という見積もりを裏付けた。
発電コストは、発電所の建設費や燃料などの総額を総発電量で割って計算する。民主党政権がつくったコスト等検証委員会は11年12月、原発の発電コストを実態に近づけるため、実際にかかる事故対策費や政策経費も総額に加えることを決め、試算した。
このとき事故対策費は約5兆8千億円とされ、原発の発電コストは8・9円と試算された。04年の試算は5・9円だった。大島教授が今回、この計算式に約11兆1千億円の対策費を当てはめたところ9.4円になった。
原発の再稼動手続きが進む実際の状況に近づけようと、停止中の原発のうち40年の「寿命」を迎える5基を除く43基が15年に再稼動し、40年で廃炉になる条件を加えたところ、11・4兆円になった。これだと同委員会が出した石炭火力の10・3円、LNG(液化天然ガス)火力の10・9円と比べ、原発は割高となる。
(後 略)
(後 略)