2014年6月7日土曜日

衆院特別委で佐藤栄佐久元知事と桜井市長が参考人質疑に

 衆院原子力問題調査特別委員会は5日、参考人として元福島県知事の佐藤栄佐久氏南相馬市長の桜井勝延氏を招いて、原子力規制の在り方に関する参考人質疑を行いました。
 
 佐藤元福島県知事は、日本の役所を含めた体質の問題が事故を起こした」、「廃炉作業については国が責任を持つべきだが、電力会社に押し付けているとしか思えない」と国の姿勢を批判しました。 また核燃料サイクル政策について、「文化、文明、哲学、倫理の面から成り立たない」と述べました。
 
 一方、桜井市長は、今も被災地の社会基盤の復旧が進んでいないことについて「国はどうしてわれわれの生活を守ることを最優先しないのか。憲法で保障された最低限の文化的生活を奪われている」と憤りました。
 
 佐藤氏は知事時代、福島第1原発でプルトニウム・ウラン混合酸化物燃料を使うプルサーマルの受け入れを拒否しました。
 その後、特捜部に収賄の容疑で逮捕され、知事を辞任させられましたが、プルサーマル政策を進められなくなった国による国策逮捕であると言われ、判決も「収賄額はゼロであるが有罪」という前代未聞のものでした。
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国の復興策に苦言 衆院特別委で参考人の佐藤元知事と桜井市長
福島民報 2014年6月6日
 衆院原子力問題調査特別委員会は5日、原子力規制の在り方に関する参考人質疑を行った。参考人として元知事の佐藤栄佐久氏、南相馬市長の桜井勝延氏が出席し、国の原子力政策や東日本大震災の被災地の復興策に苦言を呈した。 
 冒頭の意見陳述で佐藤氏は、東京電力福島第一原発事故直前の平成23年2月、経済産業省原子力安全・保安院(当時)が同原発の40年超の運転を認可したことに触れ「日本の役所を含めた体質の問題が事故を起こした」と指摘。事故発生後の廃炉作業について「原子力問題は国が責任を持つべきだ。残念だが、(今は)誰が責任を持っているのか。電力会社としか思えない状況で進んでいる」と国の姿勢を批判した。 
 一方、桜井氏は事故から3年余り過ぎた今も被災地の社会基盤の復旧が思うように進んでいないことについて「どうして(政府は)われわれの生活を守ることを最優先しないのか。憲法で保障された最低限の文化的生活を奪われていると(住民から)言われる」と憤った。さらに、政府が原発再稼働の方針を打ち出していることを踏まえ、「今回の事故を機に、ヨーロッパのように新しいエネルギー革命を起こしてほしい」と訴えた。 
 
 
佐藤前福島知事「核燃料サイクル成り立たぬ」衆院特別委で持論
河北新報 2014年6月6日 
 衆院原子力問題調査特別委員会は5日、佐藤栄佐久前福島県知事らを参考人招致し、原子力行政への意見を聴いた。佐藤氏は核燃料サイクル政策について、「文化、文明、哲学、倫理の面から成り立たない」と述べた。
 
 佐藤氏は、使用済み核燃料の再処理や高レベル放射性廃棄物の最終処分を含めた原発コストへの考えを問われ、「(青森県六ケ所村の)再処理工場は何回故障したか。最終処分場をどこへ持っていくのか」と課題を指摘した。
 さらに「福島第1原発事故で最初に頭に浮かんだのは、経済産業省は喜んでいるだろうということだ。捨てる場所(最終処分地)がないからだ」と述べ、第1原発が処分地化する恐れがあるとの持論を展開。「福島は犠牲者。(処分地化は)絶対にダメだ。それができないなら(原発を)やめてください」と訴えた。
 
 佐藤氏は知事時代、東京電力の原発トラブル隠しを理由に、第1原発でプルトニウム・ウラン混合酸化物燃料を使うプルサーマルの受け入れを撤回、核燃料サイクルの見直しも求めた。
 
 桜井勝延南相馬市長も参考人として意見を述べた。