原子力規制委は昨年5月に、敦賀原発の真下にある断層が「将来動く可能性がある」と判断しました。
それに対して同原発の事業者である日本原子力発電は、21日の会合で、新たに行った地層の分析結果を示し、「12万7000年前に降った火山灰を含む地層がずれていない」などとして、規制基準が定める「活断層」に当てはまらないと改めて主張しましたが、専門家からは、「限られたデータから導いた希望的な推論で、活断層を否定する材料にならない」などの指摘が相次ぎました。
島崎邦彦委員は、この日の会合で「十分に議論した」として、次回の会合で評価書の案を提示し、検討の取りまとめに入る見通しを示しました。
敦賀原発2号機は運転再開できず、廃炉になる可能性が高まりました。
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敦賀原発 断層動く可能性否定できず
NHK NEWS WEB 2014年6月21日
福井県にある敦賀原子力発電所の真下にある断層が「将来動く可能性がある」と原子力規制委員会で見解が示されていることを巡って、事業者の日本原子力発電は21日の会合で改めて反論しましたが、専門家からは「将来動く可能性を否定できない」という指摘が相次ぎました。
敦賀原発2号機の真下にある断層について、原子力規制委員会が去年5月、「将来動く可能性がある」と判断したのに対し、日本原子力発電は反論する追加調査の結果を示し、規制委員会の専門家会議で検討が行われています。
21日の会合で、日本原子力発電は新たに行った分析結果を示し、「12万7000年前に降った火山灰を含む地層がずれていない」などとして、問題の断層が国の規制基準が定める将来動く可能性がある断層の定義に当てはまらないと改めて主張しました。
これに対して専門家からは、「限られたデータから導いた希望的な推論で、活断層を否定する材料にならない」などの指摘が相次ぎました。
会合の終わりに規制委員会の島崎邦彦委員は、「十分に議論した」として、次回の会合で追加調査の結果を盛り込んだ評価書の案を提示し、検討の取りまとめに入る見通しを示しました。
日本原子力発電は、今の会合に出席している専門家とは別の専門家の意見を聞くことなどを求めていますが、このまま規制委員会の判断が覆らなければ、敦賀原発2号機は運転再開できず、廃炉になる可能性があります。