被ばく事故 作業員の被ばく状況が明らかに
NHK NEWS WEB 2017年6月13日
茨城県大洗町にある日本原子力研究開発機構の施設で作業員が被ばくした事故で、原子力機構は13日夜、退院した5人の作業員から聞き取った事故当時の詳しい状況を明らかにしました。
この事故で、5人の作業員は千葉市にある放射線医学総合研究所に入院していましたが、予定していた治療が終わったことなどから、13日退院しました。
原子力機構では、事故の発生前後の状況について聞き取りを行ったということです。それによりますと、今月6日の事故当時、50代の男性職員が放射性物質の入った金属製の容器を開けようと、ふたを固定していた6本のボルトのうち残り2本を緩めた際に、「シュ」という音がしたものの、この時点で周囲の汚染は確認されなかったとして作業を続けました。
しかし、2本のボルトを外すと同時に容器の内部にあった樹脂製の袋が破裂し、容器の中から「モヤモヤと」した何らかの物質が漏れてきたということです。5人は重大な事故が起きたと判断し、室内の電話で外部に事故の状況を連絡し、汚染の拡大を防ぐために部屋に内側から鍵をかけ、別の出入口も外側から目張りをするよう求めたということです。
50代の男性職員は「室内で待機している間は不安よりも、除染の設備が作られるのを冷静に待っていた。重大な事故を起こしたことに責任を感じる」と話していたということです。原子力機構は、今後も5人から聞き取りを行い、事故の詳しい状況を調べることにしています。