これまで福島県民健康調査検討委員会が発表してきた子どもの甲状腺がん患者数などは全数ではなく、一次・二次検査の段階で判明した数字とその合計で、一次検査又は二次検査後の経過観察中に新たにがんに移行した分等は除外されていました。
委員会は、検査後の「経過観察」中にがんと診断されたり、別の医療機関に移ってそこでがんが見つかったりした患者たちを網羅的に把握することは困難なため報告から除外したと言いますが、そのことを断らないで発表していたのですから隠蔽と言われても仕方がありません。個人情報の秘匿などとは関係のないことで相変わらず不明朗なことです。
6日、検討委員会は検査のあとでがんと診断された人も把握できるよう報告の基準を見直す方針を明らかにしました。別に何千人・何万人というような膨大な数ではないので是非正確な数を明らかにして欲しいものです。
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福島県の甲状腺検査 報告基準を見直しへ
NHK NEWS WEB 2017年6月6日
原発事故当時4歳の子どもが、福島県の甲状腺検査のあと、がんと診断されたのに専門家で作る検討委員会に報告されていなかった問題を受けて、検討委員会は検査のあとでがんと診断された人も把握できるよう報告の基準を見直す方針を示しました。
この問題は、福島県の甲状腺検査のあとで、これまでで最年少となる原発事故当時4歳の子どもが、県立医科大学でがんと診断されたのに専門家でつくる検討委員会に報告されていなかったものです。
5日、問題が明らかになってから初めてとなる検討委員会の会合が福島市で開かれ、県の担当者が、「検査後の経過観察の中でがんが判明した場合などは追跡が困難で、個人の情報でもあるので報告していなかった」と説明しました。
これに対して委員からは、「個人情報に配慮しながらもできるかぎり把握すべきだ」とか「通常の診療になると全く追跡しないのでは信頼性に関わる」といった意見が相次ぎ、検討委員会は検査のあとでがんと診断された人も把握できるよう、今後、報告の基準を見直す方針を示しました。
また、3巡目の検査までにがんやがんの疑いと診断された人が新たに6人増え、合わせて191人となったことも報告されました。
検討委員会の星北斗座長は「個人情報を守りながらどう把握できるかを検討し、報告の対象や考え方を変えていくことなると思う」と話していました。