原子力機構は、5人の被曝事故が起きたあと、ドアの外に体の汚染状況を調べたり除染したりする作業スペースを設置する作業を進め、5人はそれが出来上がるまでの約3時間、放射性物質が飛散した室内で待機していたことが分かりました。
作業員たちは半面タイプ(口と鼻を覆う)のフィルター付きのマスクを付けていましたが、36万ベクレルというような桁はずれの被曝は、長時間待機している間に顔などの隙間からプルトニウムなどを吸い込んだためと思われます。
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被ばくの作業員5人 事故後3時間余 汚染された室内に
NHK NEWS WEB 2017年6月9日
茨城県大洗町にある日本原子力研究開発機構で起きた被ばく事故で、現場にいた作業員5人は、事故発生後、3時間余りにわたって放射性物質に汚染された室内にとどまっていたことがわかりました。汚染が、部屋の外に拡大するのを防ぐ対策が整うのを待っていたということで、原子力機構は、作業員の被ばくに影響がなかったかどうか調べることにしています。
この事故は、今月6日午前、茨城県にある日本原子力研究開発機構「大洗研究開発センター」の施設で核燃料の貯蔵容器を点検しようとしたところ、中にあった袋が破裂し、プルトニウムなどを含む放射性物質の粉末が飛び散ったもので、現場にいた作業員5人のうち4人が放射性物質を体内に取り込んで被ばくし、1人の肺からは2万2000ベクレルの放射性物質が計測されました。
原子力機構によりますと、事故後、放射性物質の汚染が、広がるのを防ぐため部屋の外に除染を行うテントを設置する対策を行ったということで、5人は設置が完了するまで汚染された室内にとどまることになり、部屋を出たのは、事故発生から3時間余りたってからだったということです。
原子力機構は、袋が破裂した場所からできるだけ離れた位置に待機するよう指示したうえで5人を待避させる準備に速やかに取りかかっており、問題はなかったとしていますが、今後、被ばくに影響がなかったかどうか調べることにしています。
厚労相 調査に応じ必要な指導
塩崎厚生労働大臣は、閣議のあと記者団に対し「作業方法に問題がなかったか、防護具や防護衣の使用など、電離放射線障害防止規則に基づく被ばく防護措置がきちんとなされていたかどうか、しっかりと調べて、必要な指導を行っていく」と述べました。