東芝の米原発子会社 前会長に報酬２１億円
東京新聞 2017年5月31日
【ニューヨーク＝東條仁史】米紙ウォールストリート・ジャーナル（電子版）は三十日、経営破綻した東芝の米原発子会社ウェスチングハウス・エレクトリック（ＷＨ）のダニー・ロデリック前会長が、辞任前の一年間に千九百万ドル（約二十一億円）の報酬を得ていた、と報じた。引責辞任に追い込まれた前会長に、巨額の報酬を支払っていたことで批判の声が上がるのは必至だ。
同紙は、裁判所に提出された資料を基に報じた。ロデリック氏の報酬にボーナスなどが含まれているかは不明で、ＷＨ側は同紙の取材に対してコメントを拒否したという。
ＷＨは三月二十九日、ニューヨーク州連邦破産裁判所に、日本の民事再生法に相当する米連邦破産法一一条の適用を申請した。ロデリック氏は、その二日前の三月二十七日付で辞任している。ＷＨの内部管理を巡っては、ロデリック氏らが巨額の損失を少なく見せかけるよう部下に圧力をかけた疑いが浮上。米監査法人が決算に影響を与えた可能性を疑い、東芝の決算手続きが難航する一因ともなった。
