「環境放射能研究所」本棟完成 福島大、共同研究の活性化へ
河北新報 2017年06月17日
福島大環境放射能研究所は16日、福島市の同大で6階建ての本棟の落成式を行い、関係者約130人が環境中の放射性物質の動きなどを研究する拠点の完成を祝った。
本棟は延べ床面積約4千平方メートル。東京電力福島第1原発周辺地域のイノシシなど野生動物の体内に含まれる放射性物質を調べたり、動物への放射線影響を研究するための解剖室を備えた。150人収容可能の会議室や共同研究室などもある。
研究所は2013(平成25)年7月に設立され、14年9月から分析棟で研究が行われてきた。本棟の完成で、外部の研究者との共同研究の活性化が期待されるという。文部科学省の「共同利用・共同研究拠点」の認定を目指して、来年申請するほか、19年4月には研究所に大学院を設置する計画もある。
中井勝己学長が「ようやく研究所の機能が整った。研究の活性化が期待される」と式辞を述べ、難波謙二所長が研究内容などを紹介した。除幕式と内覧会も開かれた。