屋根カバー部材搬入 第一原発3号機燃料取り出し
福島民報 2017年6月28日
東京電力は27日、福島第一原発3号機の使用済み核燃料プールからの燃料取り出しに向け、原子炉建屋上部に設置する屋根カバー部材の原発構内への搬入を始め、報道陣に公開した。8月から取り付けを開始し、2018(平成30)年度半ばにも燃料の取り出しに着手する。
カバーは燃料取り出し作業時の放射性物質の飛散を防ぐ。全16個の部材で構成され、かまぼこ状に組み上げる。完成すると高さ約17・5メートル、縦約23メートル、横約57メートル、重さは約450トンとなる。初日はこのうち2個を搬入した。いわき市の小名浜港から船で運び、原発構内に陸揚げした。6回で全ての部材を搬入する予定。
視察した経済産業省資源エネルギー庁の木野正登廃炉・汚染水対策官は「燃料取り出しに向けた作業はおおむね順調に進んでおり、取り出しに向けた新たなステップに入った」と述べた。
3号機の原子炉建屋は水素爆発で激しく損傷し、プール内には未使用と使用済みの燃料計566体が残されている。東電と国は当初、2017年度中の取り出しを目指していたが、建屋上部の放射線量が想定通りに下がらず、計画を先延ばししていた。