福島県南相馬市は、福島第1原発事故による損害約10億8千万円の支払いを求め、原子力損害賠償紛争解決センターにADRを申し立てることを決めました。
内訳は、市が被災住民に見舞金として支払った約8億6千万円や、住民が避難したことによるたばこ税の減収分約1億6千万円などですが、東電は事故との因果関係を確認できないとして賠償の対象外としてきたものです。これまでに市は東電に計約46億円の損害賠償を請求しましたが支払いを受けたのは、計約4億1千万円でした。
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南相馬市ADR申し立てへ 10億円超、原発事故損害
日経新聞 2017年6月29日
福島県南相馬市は29日までに、東京電力福島第1原発事故による損害約10億8千万円の支払いを東電に求め、国の原子力損害賠償紛争解決センターに裁判外紛争解決手続き(ADR)を申し立てることを決めた。市としての申し立ては初めてで、28日の市議会で議案を可決した。
内訳は2011年度に発生した損害のうち、市が被災した住民に見舞金として支払った約8億6千万円や、住民が避難したことによるたばこ税の減収分約1億6千万円などで、7月中に申し立てる予定。東電は事故との因果関係を確認できないとして賠償の対象外としてきた。
これまでに市は東電に計約46億円の損害賠償を請求し、計約4億1千万円の支払いを受けた。今回の申し立て決定以外に、東電が請求内容の審査を進めているものや市との協議を続けているものが計約24億3千万円ある。残り約6億8千万円も東電が賠償の対象外としており、市は対応を検討中だ。
南相馬市は昨年7月、放射線量の高い帰還困難区域を除き、避難指示が解除された。〔共同〕