中国のポータルサイト(=多くのユーザがインターネットにアクセスして最初に訪れるサイト)が、大洗のセンターで作業員が被曝する事故が起きたことについて、日本のネット上で「日本は先進国なのに、なぜたびたび事故が起きるのか」との声が出ていると伝えました。
今回の事故で、「金属製の缶の蓋板のボルトを緩めると蓋板が内部の袋の膨張で持ち上がったのを、無理に押さえつけてナットを外した」とされていますが、26年間の経過で密閉容器の中でどんな化学変化が起きているのかについての警戒感が全くなかったことが明らかにされました。
また、この作業で事業所は被曝事故が起きることを全く予想しておらずに、実際に被曝事故が起きてから慌てて3時間余りを掛けて人体の除染に必要な密閉ボックスを組み立てたなど、金属缶の開封作業を含めて事故防止に向けて「危険予知」の分析・対応を全くしていなかったことが暴露されました。
結果的に直接人命に関わる事故を引き起こしただけに事業所の責任(労働安全のイロハを行わなかった怠慢)は大きいといえます。
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先進国なのに日本ではなぜたびたび放射性物質の事故が起きるのか
―中国メディア
レコードチャイナ 2017年6月11日
中国のポータルサイト・網易(NetEase)は、茨城県大洗町にある原子力開発施設で作業員が被爆する事故が起きたことについて、日本のネット上で「日本は先進国なのに、なぜたびたび事故が起きるのか」との声が出ていると伝えた。
事故が起きたのは、日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センター。核燃料物質が入った金属製の容器を開ける際に、内側の袋が破裂し、放射性物質であるプルトニウム粉末などが飛散。被爆した作業員の肺からは、極めて高い数値の放射性物質が検出された。
原子力研究開発機構は、このビニール袋の破損は想定外だったとしているが、専門家からは、「ヘリウムガスがたまり、破裂した可能性がある」との指摘があった。また、26年間点検せず、記録もしていなかったことが明るみに出るなど、原子力研究開発機構の安全管理に深刻な問題があった疑いが浮上している。
記事は、日本のネット上でも「また『想定外』か」「26年もたてばゴムもビニールも劣化する」「あまりのずさんさに、言葉を失います」「危機管理、対策が全くできていない」など、原子力研究開発機構の安全管理を疑問視するコメントが相次いでいると、記事は伝えている。(翻訳・編集/岡田)