2017年6月17日土曜日

規制委、東電社長を21日聴取 柏崎刈羽原発の再稼働巡り

日経新聞 2017年6月16日
 東京電力ホールディングスは16日、柏崎刈羽原子力発電所6、7号機(新潟県)の再稼働の前提となる安全審査の申請書を修正し、原子力規制委員会に提出した。審査の終盤で問題が相次いで発覚し、書類の総点検を求められていた。規制委は23日の東電株主総会後には、新たに社長に就く小早川智明取締役を呼び、原子力事業に関する安全意識などを聴取する方針だ。
 
 他電力の安全審査などを参考にして記述を充実させて、8千カ所以上を見直したという。姉川尚史常務執行役は「念には念を入れた」と述べた。
 東電は2013年に同原発の安全審査を申請した。14年には事故対応拠点の耐震性能不足を把握していたが、情報共有せず、今年2月まで公表しなかった。規制委は広瀬直己社長を呼び、申請内容を総点検するよう求めていた。
 福島第1原発事故の賠償や廃炉に巨額の資金が必要な東電は、原発再稼働を収益力向上策の柱の一つに位置づけている。規制委は今後、修正した申請書の内容を慎重に確認する。ただ、規制委の審査に合格した場合でも地元の同意を得られる見通しはまだ立っていない。新潟県はまず福島原発事故の検証をすべきだとの立場で数年をかける方針だ。