NHK NEWS WEB 2017年6月15日
東京電力福島第一原子力発電所の事故で溶け落ちた核燃料の取り出しに向け、東京電力は来月、3号機で初めて、水で満たされた格納容器の内部の本格的な調査を行う計画で、15日、新たに開発された水中を移動するロボットが公開されました。
公開されたのは遠隔操作でスクリューを回して水中を移動するロボットです。秒速4センチというゆっくりとしたスピードで進むことから、魚のマンボウに見立てて「マンボウ型ロボット」と名付けられました。
3号機の核燃料は事故で原子炉を覆う格納容器の底に溶け落ち、冷却のために注がれた水の中にあると見られます。
東京電力は来月にもこの格納容器の内部をロボットで調査する計画で、神奈川県横須賀市で15日、テストの様子が公開されました。
ロボットは全長30センチ、胴体の直径が13センチで、胴体の前後にはカメラが取り付けられているほか、線量計も備え、水深6メートル余りの格納容器の内部を撮影する計画です。
福島第一原発の廃炉で最大の難関とされる核燃料の取り出しについて、国と東京電力は夏ごろをめどに方針を決めるとしていますが、3号機ではこれまで本格的な調査は行われていません。
3号機の調査を担当する東芝の浅野真毅グループ長は「内部の破損の程度がわからないので課題も多いが、できるだけ多くの手がかりが得られるよう努めたい」と話しています。