小学6年生の時に岐阜県に避難した生徒が、現地の中学校で一部の生徒から「近寄るな」「放射能がうつる」などと言われたうえ、筆箱などを隠されるいじめを受け不登校になりました。当時の日記には本人の悲痛な思いが綴られています。
生徒は、その後、友人や担任、家族の支えで保健室には登校できるようなり、高校に進んだことで、幸いにもいじめを過去のこととして吹っ切ることができました。
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原発避難でいじめ被害 岐阜県内の生徒が告白
NHK NEWS WEB 2017年3月15日
東京電力福島第一原子力発電所の事故で避難した子どもたちに対するいじめが、各地で明らかになっていますが、岐阜県に避難していた当時中学生だった生徒がNHKの取材に応じ、同様のいじめに遭い「死にたい」と思うまで追い詰められていたことを明らかにしました。
この生徒は、福島県南相馬市から岐阜県内に避難した17歳の女子高校生です。
小学6年生の時に福島第一原発の事故に遭い、父親が単身赴任していた岐阜県に避難しましたが、その後入学した現地の中学校でいじめに遭ったということです。
一部の生徒から「近寄るな」「放射能がうつる」などと言われたうえ、筆箱などを隠されるようになり、入学して3か月ほどで不登校になりました。
当時の日記には「もう学校に行きたくない。福島に帰りたい。なんで『帰れ』『こなきゃよかったのに』とか言われなきゃならないの?」と記されていて、「助けて、殺して、死にたいよ、生きたくない」と殴り書きをしたページには、涙や切り刻んだ跡が残されていました。
生徒は電話取材に対し、「なぜ福島から来ただけでこんなにいじめられないといけないのか。すごい死にたかったです」と話し、「不登校になってからリストカットなどもした」と明かしました。生徒は、その後、友人や担任、家族の支えで保健室には登校できるようなり、高校に進んだことで、いじめを過去のこととして吹っ切ることができたとしています。
生徒は「新しい環境になって楽しいことが増え、過去のことと吹っ切ることができました。味方がいるという安心感が支えになるので、いじめられている人を見かけたら気にかけてあげてほしい」と話していました。