東海村の日本原子力発電東海第二原発について、西隣の那珂市の2016年度市民アンケートで、回答者の65%が再稼働に反対していることが分かりました。
海野市長は、再稼働反対が65%を占めたことについて「十分に考慮されるべき数字」と強調、「再稼働について問われたり判断したりするときには、市民の反応として示していく」と述べました。
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東海第二原発 那珂市民 再稼働反対65% 市長「重く受け止めている」
東京新聞 2017年3月24日
東海村の日本原子力発電東海第二原発について、西隣の那珂市の2016年度市民アンケートで、回答者の65%が再稼働に反対していることが分かった。市が結果をまとめ、23日、公表した。海野徹市長は「過半数になっているというのは、それだけ心配があるということ。重く受け止めている」と話している。 (越田普之)
市は施策評価の参考にするため、〇八年度から毎年、市民アンケートをしている。二十歳以上の市民二千人を無作為に抽出、アンケート用紙を発送して設問に答えてもらう。一六年度は一月十九日~二月十三日に行い、九百八十三人が回答し、回収率は49・15%だった。
設問は各課の提案に基づき、行財政改革推進室が策定する。今回、東海第二原発の新規制基準の適合審査が進んでいることや、二十年の運転延長の申請期限が今秋に迫っていることから、防災課の提案で初めて再稼働について市民に考えを聞いた。
回答は五択。最も多かったのは「反対」の四百九人(41・61%)、次いで「どちらかといえば反対」の二百二十八人(23・19%)で、合わせて64・8%が再稼働に否定的な回答だった。
これに対し、「どちらかといえば賛成」は百二十八人(13・02%)、「賛成」は六十八人(6・92%)と容認派は二割に満たなかった。
海野市長は、再稼働反対が65%を占めたことについて「十分に考慮されるべき数字」と強調、「再稼働について問われたり判断したりするときには、市民の反応として示していく」と述べた。
アンケート結果は、市のホームページで公開している。
<那珂市の原発過酷事故対応> 市内全域が東海第二原発から30キロ圏に含まれ、一部は5キロ圏の予防防護措置区域(PAZ)に当たる。県の広域避難計画では、原発の過酷事故により全市民約5万4000人が避難対象となる。PAZの約1100人は、放射性物質の放出前、全面緊急事態に至った場合、いち早く避難を開始する。昨年1月、30キロ圏の自治体として初めて、避難先の筑西、桜川両市と避難者の受け入れに関する協定を締結した。県は甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤をPAZの住民のみに事前配布しているが、海野市長はPAZ外の住民も含め、独自に市内の全世帯に配布する方針を示している。