静岡新聞が、25日、中部電力浜岡原発に関する記事を3本載せましたので紹介します。
静岡県は同原発の重大事故を想定した広域避難計画について24日、県の原子力学術会議原子力分科会で報告しました。
御前崎市は24日、重大事故時の広域避難計画を公表しましたが、避難先や詳細な避難ルートは未定で今後も調整が続くという内容になっています。浜岡原発から31キロ圏の11 市町の中で広域避難計画を公表したのは、御前崎市が初めてでした。
それとは別に静岡県と中電で構成する浜岡原発周辺環境安全連絡会の専門部会が24日、藤枝市で開かれ、県と中電と7市町で実施する環境放射能調査結果で異常がなかったことなどが説明されました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「受け入れ先と事前交流」 浜岡原発事故、広域避難計画確定
静岡新聞 (2017/3/25 08:58)
中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)の重大事故を想定した広域避難計画について、静岡県は24日、県外の受け入れ先と退域時検査場所の候補地を追加した修正を確定し、静岡市葵区で開かれた県防災・原子力学術会議原子力分科会で報告した。同分科会は計画の基幹部分が整ったことを評価した上で、実効性向上のため多様な想定での訓練実施などを求めた。
県は今回の計画修正で同原発から31キロ圏の市町ごと、県外避難先になる12都県の349市区町村名を明示した。東電福島第1原発事故後に避難先での「原発いじめ」が問題化したことに触れ、静岡大名誉教授の興直孝委員は「事前に避難先と住民レベルで顔の見える関係をつくる必要がある」と訴えた。
興委員は計画に含まれない自主避難者への対応についても「事前に考えておくべき」と指摘した。
同分科会長を務める山本一良名古屋学芸大学長補佐は「訓練を通じて継続的に計画の改善を図ることが重要。県は関係部局で連携し、今後も市町ごとの避難計画策定に支援協力してほしい」と要望した。
御前崎市が広域避難計画公表 浜岡原発、重大事故想定
静岡新聞(2017/3/25 09:05)
御前崎市は24日、中部電力浜岡原発の重大事故を想定した広域避難計画を公表した。国の指針に基づき策定する必要がある浜岡原発から31キロ圏の11市町の中で初めて。ただ、具体的な避難先や詳細な避難ルートは未定で、今後も調整が続く。
同市によると、池新田地区は浜岡中、佐倉地区は佐倉公民館など各地区ごとに、バスで避難する場合の一時集合場所を明記した。それ以外の「想定される避難経路」や、避難先に向かう前に放射能汚染の有無を調べる「避難退域時検査場所」の候補地などは、県が15日に公表した避難計画(修正案)とほぼ同じ内容。
同市は、原子力災害が単独で発生した場合は浜松市、大規模地震との複合災害の場合は長野県にそれぞれ避難する。今後、避難先の自治体と具体的な避難場所や避難ルートなどについて協議する。確定のめどは「現時点では未定」(御前崎市)としている。
環境放射能調査「異常なし」と報告 浜岡原発、連絡会専門部会
静岡新聞(2017/3/25 09:00)
中部電力浜岡原発から31キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)にある7市町(磐田、袋井、島田、藤枝、焼津市、森、吉田町)と静岡県、中電で構成する浜岡原発周辺環境安全連絡会の専門部会が24日、藤枝市で開かれた。県や中電などが7市町で実施する環境放射能調査結果で異常がなかったことなどが説明された。
2016年7月に7市町と中電、県が安全協定を結んだ後、7市町の担当課長級らが委員となる専門部会の開催は初めて。
初会合では中電の担当者が、安全協定に基づいて7市町の上水と土壌1カ所ずつ計14カ所で新たに実施している環境放射能調査を紹介。17年2月の調査結果では異常がなかったと報告した。
委員からは調査方法に対する質問が上がった。17年度も引き続き県や7市町、中電で環境放射能測定を進めていく方針を確認した。
専門部会は、7市町の首長らでつくる連絡会全体会のうち、担当課長級らが集まって地域環境の安全を監視するのが目的。年2回、会合を実施していく。