「脱原発はりまアクション」主催の原発事故を考える講演会が加古川市で開かれました。
講演した福島大学の荒木准教授は、事故後周辺住民には正確な情報がすぐに伝えられず避難が遅れたと指摘し、被災地の高い放射線量を追認するために安全基準を緩和した結果、住民の被ばくが続いている現状を批判しました。そして権力のいうことに惑わされず、一人一人が主体的に言いたいことを言える状況をつくらないといけないと語りました。
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原発問題、一人一人が主体的に 福島大准教が講演
神戸新聞 2017/3/5
東日本大震災から6年となる11日を前に、福島県の原発事故について考えるイベント「あれから6年 福島の今とつながる」が4日、東播磨生活創造センター「かこむ」(兵庫県加古川市加古川町寺家町)であった。福島大学の荒木田岳(たける)准教授(47)が国などの事故対応や、その後の社会の変化などについて講演し、約80人が聞き入った。
播磨地域で活動する住民グループ。荒木田さんは地方行政専攻で、原発事故後は住民の放射線被ばくを懸念し、自主的な除染活動や情報発信に取り組んでいる。
講演で、事故現場では事前の対策に沿った対応が行われた一方、周辺住民には正確な情報がすぐに伝えられず、避難が遅れたと指摘。その後も被災地の高い放射線量を追認して安全基準を緩和し、住民の被ばくが続いている-と国や自治体などの対応を批判した。
荒木田さんは「政府は手に負えない問題から自分たちを守ろうとした。住民に被ばくを押しつけても平気になり、事故は日本社会をも崩壊させた。権力に惑わされず、一人一人が主体的に言いたいことを言える状況をつくらないと」と力強く語った。(伊丹昭史)