原子力規制委の田中委員長は30日の定例会見で、柏崎刈羽原発6・7号機について「審査書案が近いうちに出てくる」と述べ、技術的合格を意味する審査書案と、同日行った東電幹部への意見聴取などを踏まえて合否を判断する考えを示しました。
懸案とされていたトリチウム含有水の処理に関して東電が言及しなかったことについては、「東電が明確な回答を出したら、世の中が大騒ぎになる」として問題視しない考えを示しました。
要するにそれは再稼働の条件にしないといわけで、同原発の合否が近く決まる可能性が出てきました。
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東電柏崎刈羽原発、近く合否判断へ 再稼動で規制委
産経新聞 2017年8月30日
原子力規制委員会の田中俊一委員長は30日の定例会見で、東京電力が再稼働を目指している柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)について「審査書案が近いうちに出てくる」と述べ、技術的合格を意味する審査書案と、同日行った東電幹部への意見聴取などを踏まえて合否を判断する考えを示した。同原発の合否が近く決まる可能性が出てきた。
会見に先立つ定例会合で規制委は、東電の川村隆会長と小早川智明社長を呼んで25日に文書提出した原発の安全確保に対する考えについて説明を求め、文書を同原発の合否判断の重要な材料とする考えを伝えた。
規制委は福島第1原発事故を起こした東電を「特別な事業者」とし、柏崎刈羽原発の審査の一環として7月10日に幹部と意見交換を実施。「廃炉をやり切る覚悟と実績を示せない事業者に、柏崎刈羽原発を運転する資格はない」との考えを伝え、安全に対する基本的な考えについて文書で回答を求めていた。
文書で東電は「福島第1原発事故による風評被害に対する行動計画を今後作成する」「廃炉と柏崎刈羽原発の安全性向上を両立する」などと回答した。
前回は規制委が海洋放出すべきだとしている低レベル汚染水の処理の取り組みなどについて、田中委員長らが「東電の主体性が見えない」と幹部らを批判していた。文書と30日の会合では、東電から汚染水処理の具体的な言及はなく、小早川社長は「地元の要請に真摯(しんし)に向き合い、直接対話を重ねることを基本姿勢としたい」と強調した。
田中委員長は会見で、汚染水処理に言及しなかったことを「東電が明確な回答を出したら、世の中が大騒ぎになる」として問題視しない考えを示し、「文書の中身について委員会でよく議論して判断していきたい」と述べた。