柏崎原発、原子炉の冷却機能多重に
東電、北海道の学会で安全策紹介
新潟日報 2017年9月16日
東京電力は15日、北海道大学(札幌市)で開かれていた日本原子力学会・秋の大会で、再稼働を目指す柏崎刈羽原発での安全対策について発表した。学会には原子力の専門家や電力会社関係者が多く参加しており、福島第1原発事故を起こした東電が取っている対策に関心が集まっていた。
東電が発表したのは、電力各社が原発再稼働などに向けた取り組みを報告する分科会。東電の川村慎一・原子力技術統括が、重大事故時に格納容器の破損を防ぐ排気設備「フィルター付きベント」を使わずに原子炉を冷やすための東電独自の工夫などを説明した。
川村氏は福島事故について「(津波という)共通要因によって安全機能が広範囲にわたって喪失した」と教訓を挙げ、緊急時に原子炉を冷やす機能を多重にしたほか、組織体制を変更したことなどを紹介した。
柏崎刈羽原発6、7号機は、原子力規制委員会による新規制基準の適合性審査が最終局面を迎え、近く事実上の合格証に当たる審査書案のとりまとめが行われる見通しだ。