自由党の森裕子参院議員は2日、魚沼市での市民集会で講演し、衆院新潟5区補選で自民党からの出馬が言われている泉田裕彦前知事について「がっかりだ」と批判しました。
そして「泉田氏から『脱原発』とか『原発ゼロ』といった言葉は一度も聞いたことがない」と述べました。
泉田氏は在任中、一貫して「福島原発の事故の原因がキチンと総括されなければ、柏崎刈羽原発の再稼働の議論はできない」との態度を貫きました。
その一方で、2013年に市民団体「みんなで決める会」が直接請求した東電柏崎刈羽原発の再稼働の是非を問う県民投票条例案を知事として県議会に提案した際には、再稼働禁止に対して5項目(以上)に及ぶ疑問点を挙げるなどしたために、議員から「知事は一体再稼働に賛成なのか反対なのか」と問われたほどでした※。
※ 2013年1月24日 柏崎刈羽原発 県民投票条例案を県議会が否決+
米山知事の福島原発視察の記事も併せて紹介します。米山知事には是非とも脱原発を貫いてほしいものです。
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泉田氏に「がっかり」 森裕子参院議員が講演
新潟日報 2017年9月3日
自由党県連代表の森裕子参院議員(新潟選挙区)は2日、魚沼市での市民集会で講演し、衆院新潟5区補選で東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を目指す自民党からの出馬が言われている泉田裕彦前知事について「がっかりだ」と批判した。
知事時代に泉田氏は再稼働に否定的とみられる姿勢を示したことがあった。しかし、森氏は「(泉田氏から)『脱原発』とか『原発ゼロ』といった言葉は一度も聞いたことがない」と指摘。「(原発再稼働に)イエスかノーかに泉田さんは答えることができたのか」とし、再稼働容認派、反対派の双方に対しあいまいな言動を重ねる政治手法について疑問を呈した。
講演後、補選での野党共闘について森氏は、取材に「いかに結集できるかだ。そういう態勢を整えることができれば、すてきな候補が擁立できる」とした。
米山知事 福島第一原発を視察
NHK NEWS WEB 2017年9月4日
新潟県の米山知事が4日、就任後初めて福島県を訪れ、6年前の東日本大震災で大きな被害を受けた沿岸部や、原発事故が起きた福島第一原子力発電所を視察しました。
知事就任後、初めて福島県を訪れた米山知事は、ことし3月に避難指示が一部解除された浪江町を訪れました。
そして馬場有町長の出迎えを受けて、津波などで亡くなった180人余りの名前が刻まれた海を臨む慰霊碑の前で手を合わせました。
このあと、馬場町長から浪江町では原発事故のあと避難指示の対象となった2万人余りのうち、町に戻った人が300人ほどしかいないなどと、現状について説明を受けました。
そして、馬場町長から「原発事故の原因究明と検証を後世のためにきっちりやってほしい」と言葉をかけられていました。
このあと、米山知事は福島第一原発を訪れました。
そして出迎えた東京電力の小早川智明社長に対し、「新潟県としてしっかりと検証させていただきたいと考えている。私は専門家ではないが、自分の目で見ることは重要で、現実のさまざまな姿を見ていきたい」とあいさつしました。
原発内部の視察は報道陣には非公開でしたが、米山知事は水素爆発を起こした1号機の建屋や原発事故の際、現地対策本部となった免震重要棟などを見て回ったということです。
今回の福島第一原発の視察は、柏崎刈羽原発の再稼働について、原発事故の検証をもとに判断したいとする米山知事が就任当初からの強く希望していたものでした。
また、今回の視察では浪江町や飯舘村など原発事故で住民が避難を余儀なくされた地域にも足を運び、今も住民の帰還が進んでいない現状についても説明を受けました。
新潟県では今月から3、4年かけ原発事故について新たな検証を始める一方で、国の原子力規制委員会は柏崎刈羽原発の再稼働の前提となる安全審査について、近く結論を出すことが見込まれ、「原発再稼働」が再びクローズアップされることになります。
就任以来、初めて福島の被災地を訪れ、過酷な原発事故が起きた現場の視察を「検証の一環」と位置づけている米山知事。
今後どのような結論を導き出していくのか注目されます。