福島第二原発の廃炉によって電源立地地域対策交付金が入らなくなる楢葉、富岡両町は6日、同原発の廃炉によって国から入らなくなる電源立地地域対策交付金に代わる財政支援制度の創設を経済産業省に求めました
両町には福島第二原発の冷温停止後も、年間約10億円が国から交付されてきましたが、廃炉申請の次年度から交付金は段階的に減らされ10年後にはゼロになります。これまで両町は交付金の大部分を公共施設のメンテナンスや運営費に充ててきたので、交付金がなくなれば町財政が立ちゆかなくなると窮状を訴えました。
これは交付金の多くの部分をハコモノの建設に充てさせてきた国の方針に問題があり、立地自治体はその維持管理に苦しんで、原発の増設に応じざるを得なくさせられてきたという実態があるので、国は責任を負うべきです。
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国に交付金代替制度要望 第二原発立地の楢葉、富岡両町
福島民報 2019/08/07
東京電力福島第二原発が立地する楢葉、富岡両町は六日、同原発の廃炉によって国から入らなくなる電源立地地域対策交付金に代わる財政支援制度の創設を経済産業省に求めた。磯崎仁彦経産副大臣は代替制度について「制度上なかなか難しいが、何ができるか検討する」と述べた。終了後、宮本皓一富岡町長は報道陣の取材に「副大臣の話では納得いかない」と述べ、国の責任で実現するよう訴えた。
両町には東日本大震災での福島第二原発の冷温停止後も、年間約十億円が国から交付されてきた。ただ、廃炉申請の次年度から交付金は段階的に減らされ、十年後にはゼロになる。両町は交付金の大部分を公共施設のメンテナンスや運営費に充てている。松本幸英楢葉町長は「交付金がなくなれば町財政が立ちゆかなくなる」と窮状を訴えた。
一方、福島第一原発が立地する双葉町と大熊町には、原発事故を受けた特別な交付金が措置されている。宮本町長はこうした現状を踏まえ「福島第一原発の事故に伴って第二原発を廃炉にするという特殊性がある。国は責任を持って電源交付金の代替制度を構築すべきだ」と主張した。
緊急要望項目は【下記】の通り。第二原発の安全かつ廃炉の実現だけでなく、廃炉を産業として発展させる必要があると強調した。原子力技術者の確保と育成、廃炉産業の集積などに原子力政策を推し進めてきた国が責任を持って取り組むべきだとした。
青木基楢葉町議会議長、塚野芳美富岡町議会議長、吉野正芳前復興相(衆院福島県5区)らが同席した。
■楢葉、富岡両町の緊急要望項目
(1)東京電力福島第二原発の廃炉
▽安全かつ確実な廃炉の実現
▽原子力技術者の確保、育成
▽廃炉を通じた地域の振興
(2)電源立地地域対策交付金に代わる制度の確立
(3)イノベーション・コースト構想の推進