10年以上かけて建造されたロシアの船舶型原発「アカデミク・ロモノソフ」が23日、北部ムルマンスク港を出港し、今年中に稼働する見通しです。
長さ144m、幅30mの平底船の上に小型原子炉2基が設置されているもので、自力航行はできず、タグボートに引航されるものです。送電の関係で、発電は港に係留した状態で行われます。
環境保護団体からは海洋汚染を懸念する声も上がっています。
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ロシアの船舶型原発が稼働へ 年内発電も、安全性に懸念
共同通信 2019/8/23
【ムルマンスク共同】ロシアが開発した洋上に浮かび発電する船舶型原発「アカデミク・ロモノソフ」が23日、ロシア北部ムルマンスク港を出港した。9月下旬に同国北部チュコト自治管区ペベク港に到着し、年末にも港に係留した状態で地元向けの電力・熱供給を始める予定。産業用の船舶型原発の開発、稼働は世界で初めてで、安全性に懸念も出ている。
国営原子力企業ロスアトムは、利点として可動性の高さを挙げている。島しょ国などに輸出する展望を描いており、東南アジアやアフリカに関心を示す国があるという。
長さ144m、幅30mの平底船の上に小型原子炉2基が設置されている。
世界初の海上原発、「海のチェルノブイリ」懸念の声も
読売新聞 2019年8月24日
【モスクワ=畑武尊】世界で民生用として初めて海上に浮かんで設置されるロシアの船舶型の原子力発電所が23日、北部ムルマンスクを出港した。北極海を航行し、今年中に稼働する見通しだ。
この原発は10年以上かけて建造された「アカデミク・ロモノソフ」で、2基の原子炉を搭載する。全長144メートル、幅30メートルで、1か月ほどかけて米アラスカ州に近いロシアのチュコト自治管区のペベク港に到着する。自力航行はできず、タグボートに引航される。露国営原子力企業「ロスアトム」が運営して地元住民や鉱物開発企業に電力を供給する計画だ。
環境保護団体からは、1986年に史上最悪の放射能汚染を引き起こした原発事故になぞらえ「海のチェルノブイリ」と、海洋汚染を懸念する声も上がっている。