東海第二原発から30キロ圏内に入る笠間市南友部地区の区長会が、再稼働反対の意見書提出を求める請願署名1521筆を集め、9月3日開会の定例会に上程する請願を提出しました。今後の成り行きが注目されます。
そうした請願と並行して、避難用のバスの調達の見通しが皆無という避難計画に実効性がないことが明確になっている事態に即して、その点からの再稼働不可の運動を進めることも重要ではないでしょうか。
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東海第二30キロ圏内、南友部の区長会 再稼働反対、
笠間市議会に署名1521筆
東京新聞 2019年8月27日
東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発から三十キロ圏内に入る笠間市南友部地区の区長会が、再稼働反対の意見書提出を求める請願への署名千五百二十一筆を集めた。同区長会代表の山口裕(ひろし)さん(67)は二十六日、市議会事務局を訪れ、九月三日開会の定例会に上程する請願を提出した。
「協力が得られずに途中で頓挫することがなくてよかった。提出できてほっとしている」。署名が添付された請願を議会事務局の渡辺光司局長に手渡した山口さんの声は達成感にあふれていた。
笠間市は、原電が再稼働する際に事前了解を得なければならない原発周辺六市村から外れているものの、南友部地区など一部地域は三十キロ圏内に含まれ、過酷事故が起きれば甚大な影響を受ける。原電が今年二月に再稼働の意向を明らかにすると、危機感を募らせた山口さんは四月、署名活動を始めた。再稼働に反対する鉾田市の女性グループが約六千人分の署名を集めたことにも刺激を受けた。
山口さんは南友部区長会代表を務めると同時に、JR友部駅に近い原店一区の区長でもある。同区長会に所属する他の七区の区長にも協力を得て、回覧板で署名を募った。市議に直接会ったり、手紙を書くなどして議会にも働き掛けた。
山口さんらの地道な活動の結果、六人が請願の紹介議員になった。提出した請願は二十七日の議会運営委員会を経て、九月定例会に上程後、総務産業委員会に付託され、採択するかどうか審議される見通しだ。
山口さんは「議会でしっかりと話し合ってもらい、再稼働をさせないように採択してほしい」と注文を付ける一方、「署名活動が東海第二原発の周辺自治体にも広がることを願っている」と力を込めた。 (松村真一郎)