福島県内高校生らで結成された英国訪問団は8日午前(日本時間同日夜)、原子力関連施設の一大集積拠点「セラフィールド」に到着しました。ここの視察は研修の最も重要な目的の一つです。
視察に先立ち、安積高2年の生徒は「福島第1原発の廃炉に生かせる知識や手法の違いを学び、古里の将来に生かしたい」と話しました。
視察後湯本高2年の生徒は「セラフィールドの廃炉では国の責任の強さを感じる。福島県内の廃炉でも国にもっと力を発揮してほしい」と話しました。
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廃炉進む英国「集積地」 高校生が原発視察、復興へ学び深める
福島民友 2019年08月10日
英国の原子力関連施設の一大集積拠点「セラフィールド」。かつての軍需産業と発電産業の一大拠点は現在、100年以上をかけて廃炉を目指す長期プロジェクトが本格化している。英国を訪問中の県内の高校生が8日(日本時間8~9日未明)、構内を視察し、原子力災害に立ち向かう古里の復興に生かそうと学びを深めた。
セラフィールドは1940年代に核兵器など軍事用プルトニウム生産を目的に運転を開始し、約6平方キロメートルの敷地に原発や核燃料再処理工場がひしめく。このうちウィンズケール原子力施設では1957年に火災が発生し、周辺地域に放射能汚染をもたらして廃炉が決まった。ほかの原子炉も「老朽化と採算性」(セラフィールド関係者)を理由に、国の主導で2120年の完了を目指し、施設全体で核燃料の除去や建物の解体が進んでいる。
生徒は1956~2003年に稼働した世界初の商業用原発とされるコールダーホール原発などを視察した。約40年にわたり構内で働く男性エンジニアは廃炉について「リスクは低いが、施設解体後もある程度の汚染は残る」と説明した。男子生徒(相馬2年)は「妥協をすることで廃炉は進むのかもしれないが、福島では住民が事故前の生活を送れるよう汚染された地域を必ず元通りに戻すべきだ」と訴えた。男子生徒(湯本2年)は「セラフィールドの廃炉では国の責任の強さを感じる。福島県内の廃炉でも国にもっと力を発揮してほしい」と話した。
原子力関連施設「セラフィールド」視察へ 英国訪問の高校生到着
福島民友 2019年08月09日
英国を訪れている県内の高校生らでつくる訪問団は8日午前(日本時間同日夜)、原子力関連施設の一大集積拠点「セラフィールド」に到着した。
セラフィールドの視察は、研修の最も重要な事業の一つ。生徒たちは終日(同9日未明まで)、1957年の原子炉火災を契機に、100年以上の計画で廃炉に挑む現場を巡り、東京電力福島第1原発事故の廃炉や地域産業の発展につながる取り組みを探る。
視察に先立ち、安積高2年の生徒は「福島第1原発の廃炉に生かせる知識や手法の違いを学び、古里の将来に生かしたい」と話した。