避難指示7割で解除=残るは原発立地2町など-福島
時事通信 2017年4月1日
東京電力福島第1原発事故で、福島県富岡町の全域に出されていた避難指示が1日、放射線量が高い帰還困難区域を除いて解除された。対象区域の住民登録者は、全町民の7割に当たる9544人(3月1日現在)。
宮本皓一・富岡町長は解除後、「これまで以上の懸命さで復興、再生に取り組んでいかなければならない」と話した。
3月31日には同県飯舘村と浪江、川俣両町の避難指示も同様に解除され、事故から6年で、県内11市町村の避難指示は対象区域の約7割で解除された。残るは七つの市町村にまたがる帰還困難区域と第1原発がある双葉、大熊両町となる。
ただ、富岡町で解除の前段階として行われている準備宿泊の登録者は、28日時点で348人にすぎない。復興庁などが実施した住民の意向調査では、解除後も「戻らないと決めている」と答えた世帯が57・6%に上る半面、戻る希望があると回答した世帯は16・0%にとどまる。
政府や町は帰還困難区域について、除染やインフラ整備を重点的に進める「特定復興再生拠点区域」を設け、おおむね5年以内をめどに解除を目指す。