柏崎刈羽原発周辺の地層で見つかった堆積火山灰「刈羽テフラ」について、東電は約20万年前に堆積したものとしていましたが、柏崎市藤橋で見つかった約13万年前に堆積した火山灰「藤橋40」とほぼ同じ成分であることが専門家の調査により分かりました。
原子力規制委の新規制基準では13万~12万年前以降にずれた断層は活断層とされているので、
4号機原子炉や1〜4号機側防潮堤の真下を通る「F5断層」などは活断層ということになります。
日本地質学会によると活断層は「第四紀(約180万年前以降)に繰り返し活動した断層」となっていて、少なくとも数十万年前以降に活動した形跡のある断層は活断層と見做すのが普通です。それでは原発敷地に関連する多くの断層が活断層になるので、原子力規制委は13万年以降に限定したという経緯がありました。
柏崎刈羽原発の規制基準審査は実質的に終了したと報告されたばかりでした※。
この件を踏まえて再検討するべきです。
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柏崎原発敷地に活断層か 専門家指摘 東電評価に疑義
新潟日報 2017年4月15日
東京電力柏崎刈羽原発周辺の地層で見つかり、東電が約20万年前に堆積したとする火山灰「刈羽テフラ」が、柏崎市藤橋で見つかった約13万年前に堆積したとされる火山灰「藤橋40」とほぼ同じ成分であることが14日、専門家の調査で分かった。火山灰の年代は断層の活動性の指標になる。東電は刈羽テフラの年代などを基に、原発敷地内や周辺の断層について「約20万年前以降の活動はない」と活動性を否定してきた。だが、刈羽テフラが約13万年前に堆積したとすれば、原子力規制委員会の新規制基準に基づくと、これらの断層が活断層と見なされる可能性がある。
東電の火山灰年代に疑義 「柏崎原発に活断層か」
北海道新聞 2017年4月15日
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の敷地周辺の断層を巡り、東電が活断層ではないとの根拠にしていた火山灰の年代について、東電側の「約20万年前」との見解に対し、地元専門家は15日、「約13万年前の可能性がある」との調査結果を明らかにした。
火山灰の堆積年代は、断層の活動性の指標となる。原子力規制委員会の新規制基準は13万~12万年前以降にずれた断層は活断層としている。同原発の敷地周辺の断層が活断層と認定されれば、現在進められている6、7号機の再稼働に向けた審査にも影響しそうだ。
柏崎刈羽原発 規制委「活断層ない」
毎日新聞 2016年2月12日
原子力規制委員会は12日、東京電力が再稼働を目指している柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の安全審査の会合を開き、同原発の重要施設の直下を通る断層について「活断層ではない」との結論をまとめた。規制委は6、7号機で想定する最大の揺れ「基準地震動」もすでに了承しており、審査はヤマ場を越えた。
この断層は、4号機原子炉や1〜4号機側防潮堤の真下を通る「F5断層」。活断層と判断されれば防潮堤が地震で壊れる可能性が生じ、4号機は廃炉が不可避になるなどの影響があった。規制委は、東電が昨年12月から行ったボーリング調査などを基に、「約24万年前よりも新しい活動はなく、将来動くとは考えられない」と判断した。【酒造唯】