原発事故の自主避難者 約8割が県外生活継続 福島県が調査
日経新聞 2017年4月25日
東京電力福島第1原子力発電所事故で避難指示区域外から避難している「自主避難者」について福島県は24日、県外にいる8割近くが「4月以降も避難先で生活を継続する」と回答したとの調査を明らかにした。
調査は戸別訪問などを通じて実施し、県による住宅の無償提供が終了した3月末時点の結果をまとめた。住居の確保に関して意向を確認できた県外の4781世帯のうち、4月以降も住む場所が避難先になると答えた世帯は78.2%にのぼった。一方で県内避難の3963世帯では、避難先での生活継続は23.6%で、避難元に帰還するとの回答は66.6%だった。
内堀雅雄知事は同日の記者会見で「仕事に就いたり、子どもが就学したり、避難先の生活が定着したことで、避難継続の選択が多くなったのかなと受け止めている」と指摘。「県としては県内の状況をできるだけ伝え、個々の世帯の判断を尊重しながら丁寧に対応したい」と述べた。
県内外に自主避難している1万2239世帯でみると、4月以降の住居を確保できたのは98.8%。未確定は119世帯、不在などで接触できず不明となっているのは32世帯となっている。