大熊町は、東日本大震災と福島原発事故の被害や避難の経過、その後の6年間の復興への取り組みをまとめた「町震災記録誌」を発行しました。
概要版(約60ページ)と詳細版(約200ページ)の2種類で、町民の全世帯や県内自治体などに配ります。
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大熊町が「震災記録誌」発行 町民や福島県内自治体などに配布へ
福島民友 2017年04月03日
大熊町は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被害や避難の経過、復興への取り組みをまとめた「町震災記録誌」を初めて発行した。月内に町民の全世帯や県内自治体などに配る。町は「震災から丸6年の『町の動向』の記録を残すことで震災と原発事故の風化防止につなげたい」と強調する。
概要版(約60ページ)と詳細版(約200ページ)を制作した。震災当日の町や避難所の様子、子どもたちの写真、町民や関係者の証言、町の年譜を掲載。詳細版は証言や記録を増やし、震災、原発事故での町の判断や当時の状況をまとめた。担当した町企画調整課の喜浦遊主事(36)は「震災の記憶を後世に伝え、教訓を広める際に活用してもらえれば」と話した。
原発事故が起きた立地町の対応と現状を他の自治体に伝えることで、今後の原子力行政の参考にしてほしいとの思いもある。渡辺利綱町長は「各方面からの多くの支援に感謝している」と振り返り、「町を次世代につなげる意欲があれば必ず復興できると信じている。震災で得た経験や知見を糧に、魅力ある町づくりを進めたい」と話した。
震災記録誌には福島民友新聞社の提供写真も掲載されている。写真は、震災直後に町役場に設置された災害対策本部で渡辺町長ら町の幹部が地震や津波の被害報告を受け、指揮を執る様子を撮影している。