<原発避難いじめ>横浜市教委が被災地視察
河北新報 2017年4月28日
東京電力福島第1原発事故で福島県から横浜市に自主避難した男子生徒がいじめを受けていた問題で、横浜市教委の職員が27日、福島県三春町を訪れ、仮設校舎で学ぶ原発被災地の学校と、放射線に関する情報発信施設「コミュタン福島」を視察した。市教委は7月、福島県内での教員研修を計画している。
市教委職員9人が、原発事故で三春町に仮設校舎を設けた富岡町の小中学校を訪問。児童の様子を見学し、学校が取り組む放射線教育について説明を受けた。
コミュタン福島は昨年、県が整備した。一行は空間放射線量の事故後の減衰を一覧できるパネルを操作するなどし、復興に向かう現状への理解を深めた。参加した小林力(つとむ)教育次長は「被災地の思いを横浜の子どもたちに伝え、いじめの再発防止に努める」と話した。
横浜市では昨年11月、男子生徒が当時の小学校に自主避難した直後に、同級生から名前に「菌」を付けて呼ばれるなどのいじめを受けていたことが発覚。同市は担任だった男性教諭ら6人を処分した。
市教委によると、原発事故で福島県から横浜市に避難している小中学生は昨年12月時点で147人。