2017年4月19日水曜日

柏崎刈羽原発の敷地内断層は13万年前以降生成と 研究会 

  「柏崎刈羽原発活断層問題研究会」は17日、柏崎刈羽原発敷地内にある複数の断層について、約13万年前以降に活動した「活断層」の可能性があると発表しました。
 
 同原発敷地内には、基盤を成す地層の上にある「安田層」内に23本の断層があります。これについて東電は、安田層に含まれる火山灰層「刈羽テフラ」の組成が青森・下北半島沖で報告されている20万から23万年前の火山灰と似ていることなどを根拠に、安田層の堆積時期を20年以上前と評価し、規制委も東電の主張を「おおむね妥当」と認めました。 
 
 それに対して研究会は、刈羽テフラは柏崎市藤橋に分布する火山灰「藤橋40」と組成成分が「完全に一致」していることから、「藤橋40」同様に12~13万年前の火山灰層であると結論づけました。
 そうなると新定義に照らしても「活断層」なので、東電に「調査・解析結果の全面的な見直し」を求めるということです。 
     (関係記事)
        4月16日  柏崎原発に活断層 東電の火山灰の年代に疑義
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柏崎刈羽原発内の断層「活動性ない」 専門家ら審査見直し求める
NHK NEWS WEB 2017年4月17日
東京電力が「断層の活動性はない」と評価している新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所の敷地内の断層をめぐり、新潟県内の地質学者などでつくる研究グループが、評価の根拠の一つとなっている地層の年代の推定が誤っている可能性があるとして、原子力規制委員会に審査の見直しを求めることにしています。
柏崎刈羽原発の敷地内にある複数の断層をめぐり、原子力規制委員会は去年2月、12万年から13万年前以降に活動した形跡がないことから、「活動性はない」としている東京電力の評価を了承し、原発の再稼働の前提となる審査は終盤を迎えています。
 
これについて、17日、断層の調査を独自に続けている新潟県内の地質学者などで作る研究グループが新たな調査結果を公表し、東京電力がこれまで「およそ20万年から23万年前に降り積もった」と評価している火山灰を、柏崎市内の別の場所で採取された火山灰と比較して分析した結果、およそ12万年から13万年前に堆積した可能性があると指摘しました。
そのうえでグループは、この分析結果を用いた場合、東京電力が「断層の活動性はない」と評価している根拠の一つが誤っている可能性があるとして、原子力規制委員会に調査を改めて行うなど、審査の見直しを求めることにしています。
 
「規制委員会は厳正に審査を」
メンバーの1人で新潟県の技術委員会の委員も務める新潟大学の立石雅昭名誉教授は、「原子力規制委員会の審査はすでに終わっているので、今後どういう形でアクションするかを検討しないといけない。規制委員会に対しては、厳正に審査をすべきと早い段階で申し入れをしたい」と話していました。
 
原子力規制庁は
柏崎刈羽原発の審査を担当している原子力規制庁は「今回、使われた柏崎市内の火山灰の分析を東京電力が行っている場合は、今後、説明を聞くことになるが、これまでの審査では、さまざまな火山灰や地層を考慮して『敷地内の断層に活動性がない』という東京電力の説明を聞いていて、今のところ、特別な論点は残っていないと考えている」と話しています。
 
東電「活断層はない」
研究グループの見解について東京電力はホームページにコメントを発表し、「敷地内に活断層はないと評価している」としています。
そのうえで、「これらの評価結果は原子力規制委員会の審査会合でおおむね妥当と評価をもらっている」と記述し、これまでの調査結果に問題点がないとしています。