福島県の子どもを対象に福島原発事故による放射線の影響を調べる甲状腺検査で、がんの診断が「確定」した人は県が今年2月に公表した数より17人増え50人に、「がんの疑い」とされた人が39人(前回は41人)に上ることが分かりました。
受診者数が不明のため、37万人の8割が受診したと仮定すると29万6千人となります。これを元に100万人当たりの発生人数を求めると、下表1のようになります。
受診者数を2月と同じに18万36千人と仮定して、100万人当たりの発生人数を求めると、下表2のようになります。
表1
福島児童 甲状腺がん 検査結果 累計数 (H26 年5月) (単位:人)
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受診児童数
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がん確定数
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がん疑い者数
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(確定+疑い)数
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296,000(推定)
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50
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39
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89
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100万人当たり換算
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169
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132
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301
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表2
福島児童 甲状腺がん 検査結果 累計数 (H26 年5月) (単位:人)
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受診児童数
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がん確定数
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がん疑い者数
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(確定+疑い)数
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183,000(推定)
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50
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39
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89
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100万人当たり換算
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273
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213
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486
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国立がん研究センターなどによると、「10代」の甲状腺がんは百万人に1~9人程度ということであり、18歳未満の甲状腺がんはこれまで百万人に1~2人程度とされていましたので、比較にならないほどの発生率です。
ところで福島県はこれまで一貫して放射線との関係を否定してきましたが、今回初めて放射線の影響を調べると言い出しました。当然のことです。
(関係記事)
2014年2月10日「福島児童 甲状腺がん33人に」
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福島の子ども甲状腺がん50人に 県、放射線の影響調査
共同通信 2014年5月18日
福島県の全ての子どもを対象に東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べる甲状腺検査で、対象者の約8割の結果がまとまり、がんの診断が「確定」した人は県が今年2月に公表した数より17人増え50人に、「がんの疑い」とされた人が39人(前回は41人)に上ることが17日、関係者への取材で分かった。
県内の震災当時18歳以下の約37万人を対象に県が実施。今年3月までに1巡目の検査が終わり、4月から2巡目が始まっている。
チェルノブイリ原発事故では4~5年後に子どもの甲状腺がん増加が確認された。このため県は、今後がんが増えるかどうかなど、放射線の影響を調べる。(共同)